2021年6月21日月曜日

杵屋佐喜(長唄 唄方)         ・【にっぽんの音】

 杵屋佐喜(長唄 唄方)         ・【にっぽんの音】

進行役:能楽師狂言方 大蔵基誠

江戸時代から長唄を演奏する家に生まれる。  1983年東京都出身。 38歳。     父親は七代目杵屋佐吉 兄は三味線方の杵屋浅吉  代々三味線の家。

五代目杵屋佐吉さん(祖父)から三味線を、唄を人間国宝杵屋佐登代さんから手ほどきを受ける。  初舞台は6歳。 

長唄は江戸時代に歌舞伎の伴奏音楽として成立したもので、三味線音楽の中の一つです。   大学では声楽を学びました。  母がジャズピアニストだったのでその影響で洋も和もなくて、歌の基礎を学ばなければいけないと思いクラシックの声楽科に行きました。  ホセカレーラスに傾倒しました。  外国の音楽を学べば学ぶほど自分の国の音楽を知らないことに気づきました。 

2002年に3代目杵屋佐喜を襲名、演奏会、歌舞伎公演、日本舞踊界で活躍中。

子供たちに向けて長唄を発信している。

「カレーライスの歌」を動画配信している。  2018年 子供たちにわかりやすい言葉と共感できるようなテーマで新しい曲を作ったらどうかと思って作りました。

*「カレーライスの歌」 三味線:杵屋 五助ほか 歌:杵屋佐喜

この曲は作詞作曲まで固めて、作調の望月左太寿郎さんとアレンジをして、どこにどういう音楽を入れるという事を固めたうえで、レコーディングの日だけみんなが集まりました。   4代目の杵屋佐吉は約400曲強作りました。  三味線を発展させようとして、歌のない基楽曲を始めて作ったり、音域を広げるための低音の三味線を作ったり、エレキ三味線の開発にかかわったりしました。  三味線による童謡も作って33曲ほどあります。

「子供と楽しむ長唄童謡」 楽譜を整して本を出版しました。  学校ではピアノなどに最初に触れるが、最初に日本の楽器に触れてもらいたいですね。 

*「慌て床屋」 三味線バージョン  作詞:北原白秋  山田耕作:作曲  

学生時代は野球少年で甲子園を目指していました。  中学ではお稽古から逃げるために部活で野球をやっていました。   長唄へのきっかけは外国の文化を学んだからこそ日本の文化を見直したという事です。   長唄の魅力は間とか、息合い、人と人とが息がぶつかり合うのがジャズと通じるものがあって、譜面では表せない間の魅力はあると思います。  グループでやるので喜びも10人でやったら10倍の楽しさがあります。  

*「夢の玉菊」 作曲:4代目杵屋佐吉 唄:杵屋佐登代  三味線演奏:4代目杵屋佐吉

玉菊は江戸時代に吉原に実在した女性の名前で、25歳で亡くなってしまうがその人を忍んで作った灯篭が風物詩になって玉菊灯籠と呼ばれた。  死生観を感じる曲です。

日本の音とは「除夜の鐘」です。