2022年1月18日火曜日

安森ソノ子(詩人・エッセイスト)    ・京ことばを胸に詩を書く

 安森ソノ子(詩人・エッセイスト)    ・京ことばを胸に詩を書く

1940年京都市生まれ、同志社大学を卒業後デザイン関係の会社に勤務した後結婚、主婦業と子育ての傍ら、大阪文学学校で詩を書くことを学びました。  1979年初めての詩集紫蘇を摘む』を発行、この詩集は日本図書館選定となりました。  その後も詩作を続け、2021年発行の詩集「京言葉を胸に」まで出した詩集は10冊に及びます。   安森さんは2年ごとに開かれる世界詩人会議への参加など海外でも活躍しています。   日本舞踊や能で舞台に立つ事も多く、踊る詩人と呼ばれることもあります。  生まれ育った京都の言葉に改めて向き合おうとしている安森ソノ子さんに伺いました。

インドで世界詩人会議が開かれる予定でしたが、中止になりました。   学生時代から詩を書くことは好きでしたが、結婚したのが24歳で大阪文学学校にいって、詩の教室に入っていました。  1979年初めての詩集紫蘇を摘む』を発行しました。  その後「地上の時刻」「香格里拉で舞う」など10冊を発行。   同人誌「どうえ」に参加していたころ1編の詩の中に5個以上京言葉を使うように心がける。   「どうえ」というのは「こんな服どうえ」とか使うのでそれを用いました。  京言葉の会では、「京言葉辞典」というのがあり、イントネーションも違うので参考にしながらみんなで勉強し合ったり、京言葉で作った劇を舞台で発表したりしました。  2021年発行の詩集「京言葉を胸に」を発行しました。  3部構成で1部は「京女世界をめぐる」、2部が「日本文化の元で」、3部が「御所言葉で」となっています。    

*緑茶の芽(「日本文化の元で」)

「宇治のお茶の葉で染めた着物を着るとほっこりするのどす。  新緑の光沢に包まれてうちはお茶席に行かせてもらいます。   おおきに。    お茶色のはんがりとしたお着物はええもんどすなあ。   お茶会でお目にかかれます日を待っております。  床の間の掛け軸はうっとこに前からあるカキツバタの絵。  亡くならはったお姑さんが大切にしてはった書画の抹茶茶碗でお茶をたてお茶色に染まりましょ。  えらい昔みたいにまず石臼でお茶の葉っぱをひいて粉にしましょ。  ひきたての抹茶の香りのよさ。  このせわしない時代に葉緑素をぎょうさんいただくことを考えましょ。   健康にええことどすしなあ。」

はんがり:落ち着いて華やかで上品なというような感じ。

うっとこ:うちのとこが詰まった感じ。

*おめもじ(「御所言葉で」)  朗読

中坪:中庭のこと

おめもじ:面会

くもじながら:大変恐縮ながら

ゆめまがしい:現実にはないのであるが  めったにないことであるが

きょくんなこと:驚くこと  吃驚すること

すもじ:寿司 宮中の女官が使っていた。

今でも御所言葉は残っていて、「お冷ください」というお冷は御所言葉です。 「おかべ」は 豆腐のことを言います。  白い厚い壁という意味合い、  「おてしょ」は皿   

2020年  フランスのジャポニズム・スフセサール芸術勲章受賞。

2020年発行「紫式部の肩に触れ」 英文に訳す。

*「紫式部の肩に触れ」  朗読 (日本語、英語)

京都出身の山下智子さんが2か月に一回は京言葉で語る「源氏物語」の講演会を持っています。  それと共にNHKのカルチャーで講座を持っています。            私はユーチューブを立ち上げて世界の人々と友情を大切にして、人間が本当に望ましい一生を終えるように考えて行きましょうとやって行きたいのです。   

*「ゆずりはを活ける」?

「旅立とう。  道狭き難度であっても寿命ある日の 育て育ちゆく木々の花々のはんなりとした心音を抱き」