2018年9月17日月曜日

寺澤康行(日本鳴く虫保存会)       ・【にっぽんの音】

寺澤康行(日本鳴く虫保存会)       ・【にっぽんの音】
能楽師狂言方 大藏基誠
くさひばり 
ラフカディオ・ハーンがこの虫が好きで自宅で飼っていた。
午前中にも鳴くので、朝鈴という別名もあります。
1cm程度の大きさ。
11月位まで聞ける。
この会が出来てから51年目で、私が虫を飼い始めたのが昭和25年です。
担任の先生が5匹鈴虫をくれて、そこから始まりました。
作ったきっかけはカンタンという虫がいますが、この虫の人工飼育がなかなかできなかった。
小野さんという方が成功して、その技術をみんなに広げたいと言うことと、鳴く虫全部をやろうじゃないかと言うことになりました。(都市開発で虫が段々居なくなってきた)
①虫の飼育能力の向上。
②虫の文化を皆さんに知ってもらおう。
この二つの目的で活動しています。

鈴虫を無料配布をやってその時にアンケートをやりましたが、なんで飼いたいのかというと男性は郷愁なんですね。
今年3月には去年よりも3.1℃平均気温が高かった、4月は2.5℃高かった。
そうすると虫に対しる影響が有り早く孵化して、早く成長することになる。
9月にコンクールをやるが、その時にはお爺さんになってしまって鳴かなくなってしまうと言うことがある。
虫の寿命は大雑把に、土の中に8カ月、地上に出てきてから4カ月です。
暑いとどんどん成長してしまう。
鳴く虫コンクールは20回目になります。
鈴虫、松虫、カンタンの3種類の競技を行います。
この3種類は声がいいので選びました。
鈴虫は地面に卵を産みますが、松虫、カンタンは草の茎に産みます。
カンタンは茎の20cm以上の処に産む、松虫は地面の近くの茎の処に産む。
鈴虫は黒、松虫は茶色、カンタンは黄色から緑色。
体色が保護色になっている。(場所を住み分けている)
審査員は15名程度で、①綺麗な声、澄んだ声、②大きな声、③長く鳴く
この三つでポイントが入ります。

鳴き声もある程度飼育で工夫ができます。
コンクールで優勝した虫の子供がそれを引き継ぐかどうかですが、、卵を100個以上産むので、どれが引き継いでいるのかどうか判らないので、中途で匙を投げてしまいます。
審査の時間が夕方6時~6時40分ぐらいで、普通これらの虫が鳴くのは7時30分過ぎなので、早いからなかなか鳴かない。
暗くするがそれだけでは鳴かない、がっかりして帰ると電車の中で鳴いたりするわけです。
ですから誰が優勝するかはやってみないと判らない。
一緒に鳴くので聞き分けが難しい。
鈴虫は リーン リーン リーンと3回鳴いてお休みします。
松虫は チンチロリン チン チン チンチロリンと鳴いて休みます。
カンタンはルー ルー ルー・・・、と1時間以上鳴いています。

カンタンの鳴く好きな温度は24~26℃位です。
それ以上高いと声が高くなって行って、それ以上になると鳴かなくなります。
求愛の声なので、鳴くのは雄です。
実験で若い雄、ちょっと歳取った雄と、雌を置いて同時に鳴かせた時にどっちに行くかというと、雌は高い音、澄んだ音の方に行くということが判りました。
雌は、若くて大きな声で元気に鳴くのがいい、結局若い方に行きました。
人間が聞いても澄んだ声で大きな声で鳴く方がいいですね。

かねたたき くさひありとおなじ位の大きさ
くつわむし  6cm位の大きさ 馬のくつわのガチャガチャする音から来たらしい。
       昔には何処にでも居たが今は東京にはいないと思う。
綴れ刺せ (つづれさせ) 着物のボロを刺す様に鳴く。
 10月ごろでも鳴く。 ぼろを繕って春からの野良着に使いなさいよと鳴いている。(肩刺せ、裾刺せ というふうに聞こえると言う訳です)
つづれさせコウロギの誘い鳴きを録音したが本当に貴重なものです。
エンマコウロギ 閻魔様に似ているということだがいかつい顔をしています。
        縄張り宣言の声、求愛だと違っている。

ピアノの一番高い音が4100ヘルツだが、カンタンが2500~3500ヘルツ、
エンマコウロギもほぼ同等。
それよりも他の虫は全部高い、ウマオイは高い方は1万4000ヘルツ位あります。
「スィーッチョン スィーッチョン」と聞こえる。
高い周波数は歳をとると聞こえなくなる。
5種類位鳴いていてもどの虫かどの虫かは判ります。
青松虫は「リ リ リ リ リ リ」と鳴いて鈴虫と間違われますが、鈴虫は東京にはいません。
青松虫は都会の街路樹などでも鳴いています。
虫の声には自分が癒されます。