五木寛之(作家) ・〔五木寛之のラジオ千夜一話〕 五木寛之作詞の歌
20代の後半から作詞をしています。 専属のプロの作詞家としていた時代がありました。 CMソングをまずやっていました。 一日3つぐらい作ったこともあります。
「思い出の映画館」 新宿に小さな映画館があって、入場料が30円でした。 フランスとかイタリアの古い映画を上映していました。 そこで随分勉強させてもらいました。 映画の題名を次々織り込んでゆくというものです。 忘れられないものの一つです。
*「思い出の映画館」 作詞:五木寛之 歌:旅人 1979年
一世を風靡した映画が沢山ありました。
*「織江の唄」 作詞:五木寛之 作曲:山崎ハコ 歌:山崎ハコ 1981年
遠賀川 土手の向こうにボタ山の 三つ並んで見えとらす
信ちゃん 信介しゃん うちはあんたに会いとうて
カラス峠ば越えてきた
そやけん 逢うてくれんね信介しゃん
すぐに田川に帰るけん
織江も大人になりました
月見草 いいえそげんな花じゃなか あれはセイタカアワダチソウ
信ちゃん 信介しゃん うちは一人になりました
明日は小倉の夜の蝶
そやけん 抱いてくれんね信介しゃん
どうせ汚れてしまうけん
織江も大人になりました
香春岳 バスの窓から中学の 屋根も涙でぼやけとる
信ちゃん 信介しゃん うちはあんたが好きやった
ばってんお金にゃ勝てんもん
そやけん 手紙くれんね信介しゃん
いつかどこかで会えるけん
織江も大人になりました。
九州弁で書かれていますが、山崎ハコさんは大分県の出身なんです。 「青春の門」 9巻まで行って10巻で完結する予定ですが、完結してもしなくてもいいのかなあと思っています。 最後は読者が自分で物語を作って解決するという、そういうやり方もあるんじゃないかなあと思います。
*「インディアン サマー」 作詞:五木寛之 作曲:いまなりあきよし 歌:麻倉末稀
ボサノバ調です。 「織江の唄」とは全然違います。 演歌、童謡なども書いています。
作詞は楽しい仕事です。 小説と違ってリラックス出来ます。
*「旅の終わりに」 作詞:五木寛之 作曲:菊池俊輔 歌:冠二郎
ごてごての演歌です。