2019年8月20日火曜日

下戸眞由美(旅の案内人)           ・心を癒す 京都の旅

下戸眞由美(旅の案内人)            ・心を癒す 京都の旅
京都市の西陣で生まれ育った京都っ子。
信心深い祖母に育てられた下戸(おりと)さんは四季折々りの祭りや行事に合わせて小さいころから多くのお寺や神社を訪れました。
その後会社勤務を経て結婚、勤務中に一時体調を崩しましたが、医師による治療と並行してかつて訪れた寺社巡りを再開し、やがて克服しました。
2014年に京都府から旅行業登録を許可され四季折々の行事や草花、紅葉など少人数でゆったり楽しむ旅を企画しそのガイドを務めています。
この春京都の大小の寺社の行事や、季節の魅力を紹介する「京都癒しの旅」という本を出版しました。
下戸さんのお好きな京都の年中行事や毎月のお勧めの場所を実体験に基づいて紹介しています。
下戸さんに京都の寺社ならではの四季の行事の魅力、案内人としての今後夢などを語っていただきます。

京都市の西陣は昔の街並みが残っているところです。
御所も近くにあります。
祖母も明治生まれで信心深い人でした。
晴明神社、白峯神宮は徒歩圏内です。
地元の信用金庫に勤める事になりました。
結婚後も京都に住むようになりました。
祖母が年に一回旅に連れて行ってくれて、それがすごく楽しみで二人の励みになっていました。
祖母も亡くなって、ゆっくりペースで地元の誰かが付き添えばもっと旅に来られる方が増えるのではないかと思いました。
京都を案内したいという気持ちが強くなってきて、まずはツアーガイドを担当して知らないことを勉強して積み重ねていきました。
知れば知るほど無知を知る、と実感しました。
2012年「京都癒しの旅」を創業しました。
その方のペースにあった旅をご案内したいと思いました。
募集はインターネットで発信しています、女性限定です。
以前精神的につらくなったことがあり、うつ病にもなり、回復したが女性ならではのつらい気持ちがあるという事を心理学で学んだ時に感じて、女性の気持ちに寄り添って女性が元気であれば家庭が元気で、ひいては世界が元気になり、笑顔で暮らせたらいいなあと思ってまずは女性かなと思って女性限定にしています。
一人、あるいはせいぜい多くて3,4人を対象にしています。
「京都癒しの旅」を出版しました。
事件、政治とか一切載っていないいいお話が載っている宮崎中央新聞を週一回出している全国紙ですが、それを読む会があるので来ないかと同級生に誘われました。
編集長の水谷さんが講演をして、本を出したかったら本を出している人と友達になったらいいとか、人生がどん底から一気に上昇気流に乗るのには決断することが必要だといわれました。
感想を述べる時に「本を書きたい」といいました。
メールで目次と前書きを書いて送りました。
エッセーみたいで面白いといわれて、ごま書房新社の社長さんに編集長の水谷さんが推薦する手紙を出してくれていました。
ごま書房新社の社長さんから声をかけていただいて出版することになりました。
神社仏閣のいろんな行事、自然の魅力などを1月から月を追て書かれています。
同じ場所でも重なりますが、行事がつながったり、季節が変わると違う顔を見せるし、書こうと思って書きました。
まずは初もうで、今宮神社
2014年に京都府から旅行業登録を許可されて、女性の方への癒しの旅を目指していることを神職の方にその話をしたら、詳しく祝詞を上げてくださって涙が出るほどうれしくて、さらに今宮神社には通うようになりました。
貴船神社の若菜神事、1月7日。
本殿の中に入らせていただくのが30人です。
七草がゆを食べるのはお正月の御馳走で胃が疲れたので、七草がゆを食べて胃を休ませましょうと聞いていましたが、宮司さんの話ではこの寒い冬に若い芽を出す、その力、植物の気を頂く日ですといわれました。
節分、壬生寺、素焼きの丸いお皿のようなものに自分の願い、名前、数え年を筆で書きます。
それを壬生寺に納める。
春と秋に壬生狂言を演じて最後に演者の方がその宝楽を割るんです。
なお一層厄が払われ、願いが叶うようにということが言われています。
京都御所で梅と桃と桜が一度にめでる時と場所がある。
出水の枝垂れ桜があり、3月の20日ぐらいから咲き始めて、まだ梅が残っていて、桃もちょうど咲いてみられます。
今宮神社、夏越の祓 半年間の厄を払って、茅の輪でできた輪をくぐってお祓いをするものです。
あぶり餅の店があり一軒は1000年を超えていて、新しい方は400年を超えています。
あぶり餅も楽しみですが、和菓子の水無月を食べる日です。
この半年の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する神事です。
7月の祇園祭 一つ一つの鉾に歴史があります。
薙刀鉾、7月5日に稚児舞い披露があります。
鉾は釘は一本も使わずに、木を組み込んでいって荒縄を絡めて組み立てていきます。
50mの荒縄を100束使うそうです。
鉾には40~50人乗り、重い鉾ですと10トンぐらいあります。
大徳寺、 曝涼展 10月の第二日曜日 所有されている宝、掛け軸を一斉につるして虫干しするんですが一般の人にも見られるわけです。
一つの掛け軸、文化財を支える多くの人、プロ、職人、芸術家達の技が伝わっている、繋がっている。
秋の大覚寺、大沢池、特別ですね、本当に綺麗です。
月見も綺麗です。
「初天神に参ったら仕舞天神にも行きなさい」これは祖母から子供のころから言われていました。
初天神にいってお願いごとをして、1年間無事に過ごせたら仕舞天神でお礼参りをするのは当然のことだと改めて思いました。

「人間関係でつらいことがあっても京都に来ていろんな温かい人と出会って、また頑張ろうと思えて勇気を貰える旅です」といってもらって、私自身の励みにもなっています。
お客さんがまだ少ないがリピーターが多いです、90%がリピーターで来ていただいています。
昔から生きた人の知恵と何も言葉をかけない自然からも守ってくれている、そういう場所が京都なんじゃないかなあと思います。
50~60軒が一つの町内ですが、町内にひとつずつお地蔵さまがいらっしゃって、順番に毎日お地蔵様の掃除をしてお花を替えます。
8月23,4日当たりに地蔵盆という行事があり、町内の空き地などに祭壇を作ってお地蔵様を飾ってお坊さんにも来ていただき拝んでいただきます。
散歩に行って自分のところのお地蔵さんでなくても手を合わせてしまう自分がいて、そういう京都の方は多いと思います。
食べ物もいろいろあり楽しみです。