2018年5月8日火曜日

渡辺達生(カメラマン)          ・心にピントを合わせる(1)

渡辺達生(カメラマン)          ・心にピントを合わせる(1)
69歳、独学で写真を学び篠山紀信さんと並び称されるグラビアカメラマンとなりました。
これまで40年間に4000人以上のモデルを撮影、これまでに出版した写真集は230冊を越えます。
女性グラビアの巨匠と言われるまでになった足跡を訪ね撮影の苦労、エピソードなどを伺います。

写真は親爺がカメラを何台か持っていたので小学校のころから気になっていました。
生まれは山梨県で、8歳の終わりごろまでいました。
父の転勤で代官山の社宅にきました。
事務所も麻布などに行きましたが、こっちに戻ってきてしまいました。
大学は成蹊の経済学部に籍を置きました。
高校に行く頃には写真に自信がありましたが、親爺の意向もあり成蹊大学に行くことにしました。
大学の3年の終わりごろ映画が好きな人がいて、現場を手伝いに来るように言われて、演出家に紹介されて週刊サンケイに知り合いがいるからということで行きました。
週刊サンケイの写真部の暗室で現像する仕事をしました。
直ぐ先輩に色々聞いてその繰り返しで覚えて行きました。
篠山紀信さんが好きでした。
『GORO』という雑誌の編集部に移って仕事をしている時に、篠山さんのゲラ刷りを貰って研究しまくりました。

機械の操作だけは一杯やらないとだめです。
どのレンズを使ったらいいかとか、常に考えています。(野球で言うと素振り、キャッチボールに相当します)
何処から何処まで区切って撮るか、常に訓練しています。
カメラを向けて1対1で撮ろうとする時に、お互いが知らないとちょっと気まずいし厭なのでお互いが喋って、友達になってからでないと厭だと思っています。
褒めること、貶すのも一つです。(ただただ褒めても駄目)
メーク中などに顔の形を物凄く見ていて特徴を見つけます。
また撮って欲しいと言う人が結構いて、小野真弓さんは6冊(1冊100ページ)撮りました。

40年間でモデルを4000人以上撮りました、230冊になりました。
雑誌の表紙は1枚ですが、10分位で400から500枚撮りその中から一枚を選びますから、それを考えるとかなりな枚数になります。
海外にいって500~600本とってX線から保護してテスト現像するが、大丈夫かどうかその時は怖いです。
デジタルで今は自分でもモデルさんも見る事が出来るが、緊張感がなくなると言うこともあり良い面、悪い面もあります。
武田久美子さんの貝殻のビキニは30万部を越えました。
残念ながら僕のアイデアではなかった。
彼女が貝殻で水着を作ったら面白んじゃないかということで作りました。

川島なお美さんの写真集は50~60万部になりました。
最近はネットで、なんで本の手触りを感じないのかなあと思います。
15歳の片平なぎささんの水着のページを作ったのですが鮮烈に残っています。
広告で宮沢りえさんと後藤久美子さんの写真を撮りましたが 12歳の時に2人で一画面を撮りましたが、可愛かったです。
グアムで斎藤慶子さんを撮りましたが、それも記憶に残っています。
人里離れたビーチに行ったりするとチームとの一体感が出てきたりして楽しいです。
鈴木優華さんの笑顔が好きです、会うとまず笑うんです。

美空ひばりさんの「河の流れのように」のジャケットを撮りました。
レコードが出て直ぐに亡くなりました。
良い表情を撮ることが出来ました。
石川さゆりさん、山下久美子さんなどなども。
グラビアはちょっとしたニュースだと思います。
10,20年たった時にこの時私はこんなことをやっていたと、思いだしたりできる様なそんなつもりでもやっています。
どうやって撮っているのか、ほんとうは見てほしいとは思いますが。
弟子は24人ぐらいいます。
撮影現場はお祭りみたいに大騒ぎです。
最後には必ず笑顔でピースサインを撮ります。