2024年4月20日土曜日

篠田大輔(スポーツ事業会社代表)    ・防災はスポーツで覚えよう

 篠田大輔(スポーツ事業会社代表)    ・防災はスポーツで覚えよう

篠田さんは災害時に怪我をした人を救助したり、障害物を避けながら物資を運ぶなど、被災した時や避難生活に入って時に必要な動きをスポーツ化した防災スポーツを各地で実施しています。 その原点は兵庫県西宮に住んでいた中学生の時に経験した阪神淡路大震災です。 避難所生活の中で不慣れな作業を数多く経験し、日常的にこうした動きを身に付けておくことが大切と痛感したことが現在の活動に繋がっています。 自らの被災体験から生まれた防災スポーツの取り組みについてお話を伺いました。

小学校から高校まで西宮で過ごしました。 中学校1年生の時に阪神淡路大震災に遭いました。地響きの音に目が覚めて 、地震が来て大きな揺れを感じ、布団をかぶって揺れのおさまるのを待っていました。  家具などが倒れていて大惨事だと気付きました。 両親と3人兄弟でしたが、皆怪我はありませんでした。 夜が明けて倒壊している家屋もありました。 幸い火災はありませんでした。  コンビニへ行って買い物をして小学校の避難所に行きました。 体育館だけでは入りきれなくて、交渉をして教室も解放してもらいました。夜になって電気通じてテレビを見ることができました。  火事の様子とか広い範囲での被害状況を目の当たりにしました。 プールの水をトイレに運びました。 当日午後には自衛隊の給水車が来ました。 当日はおにぎり二つが支給されました。 

その後スポーツで生かせるものはないかと考えた時に、災害防災にスポーツを組み合わせると何か提供できるのではないかと考えました。 大学を卒業してスポーツビジネスの世界に入りました。 ラグビー関係のチームのサポート、選手のマネージメントとかなどに携わっていました。 2013年に東京オリンピックパラリンピックが決まって、2014年に独立して会社を作りました。 スポーツイベントのプロデュースなどをしていました。    

防災対策にもスポーツの力を取り入れることによって、広げることが出来るのではないかと考えました。 スポーツは本来楽しむ要素もあるので、防災対策の入口にと言う思いもありました。 被災者の声を聴いてそれをスポーツ競技化できる要素は何か、と言うところから考え始めました。 ①一輪車で物を運ぶ、②低い態勢で移動できるか、③水難時の救助のための物を投げて的当てして引っ張るという事、④物資の搬送リレーのようなもの、⑤負傷者を搬送することを想定した毛布を使ってぬいぐるみの搬送、などいろいろ種目があります。 タイム競技として身体で覚えるという事で展開しています。 

スポーツの試合会場で一つのイベントとして、体験の場を設けてファンと選手が一緒になって行って、防災意識を高めて貰えればと思います。 防災のことを学ぶこともセットして、学校でやることもあります。  防災対策にもスポーツの力を取り入れることはまだまだ入り口だと思っています。 今後さらにそういった場を広げていきたいと思っています。