2021年4月18日日曜日

竹下和男(元小学校校長)        ・【美味しい仕事人】子どもが育つ「弁当の日」

竹下和男(元小学校校長)      ・【美味しい仕事人】子どもが育つ「弁当の日」 

平成13年香川県の滝宮小学校から始まった弁当の日は弁当の献立、買い出し、調理、詰める、片付けすべて子供だけですることを決まりに始まりました。   子どもたちは食事作りの大変さを知り、家族への感謝の気持ちが湧いてきます。  又友達と弁当を比べ合う事で互いを尊重するようになるといいます。  現在弁当の日を実施している学校は全国でおよそ2400校に上ります。  子どもが作る弁当の日、提唱者竹下さんに伺いました。

校長になって子供たちが給食を食べている時に、美味しそうに食べない子が増えているのかなと思って、何とかしたいと思いました。   献立、買い出し、調理、詰める、片付けすべて子供だけでする状況を作ればいいと思って始めました。    平成13年がスタートになります。   子どもが自立していけると思って、学校の先生方の了解を得ました。   PTAの役員に説明しましたがすぐに反対されました。   理由は包丁を持たせていない、ガスコンロに触らせていない、早起きさせていないという事でした。    PTAの総会がありそこでも話しましたが、ブーイングでした。    3つのルールを説明しました。  ①子どもだけで作る、親は手伝わない。   ②5,6年生を対象。   ③2学期の第3金曜日を一回目にする。(準備の関係、 暑い時期だと弁当が傷む恐れがある) 年間5回とする。

最初の一回目の日は大騒ぎでした。  弁当の見せっこをして喜んでいる姿を見て先生方も安堵しました。  1回目の時には親が手伝って玉子焼きだけ作ったとか後で聞きましたが、2回目の時には手巻き寿司弁当を作ってきた子がいました。  5回目はほとんど自分で作ったようです。  自立したかどうかだと思います。   点数をつけることがない。  家庭での食事をつくったりする、子どもに対する環境が変わってほしいと思って取り組みました。  中学校への取り組みも大いに効果がありました。

どんな食材をどんな手順で調理してゆくかという計画を立たせるがほとんどできない。  雑誌とかを見せると段々閃いてくる。   「いただきます」は食材の命に対する感謝で、「御馳走様」は料理が出来上がるまでに駆けずり回った人達への感謝の気持ちなので、献立から片付けまでやることによって気付いてゆくだろうと思いました。  1回目で気付きました。  感想文にはいつも食事を作ってくれる親に感謝したい、という事が圧倒的でした。  親の感想文では親子の会話が増えましたという事が圧倒的でした。  わからないことを親に問い合わせそこから会話が始まる。  弁当を介在して親子のコミュニケーションが生まれます。

いじめ、引きこもりなどの背景に家族の繋がりが欠け落ちた状態で子供が育っているという不安がありました。   教科書だけでは伝えられないという思いがあり、弁当の日という、家庭と地域を取り込んだ形にして見切り発車しました。   弁当の見せっこは褒めっこだと言っています。   やっている子ほど相手を褒めます。   

朝ご飯に菓子パンとかゼリーとかコーヒーだけで済ます子が50%ぐらいいます。  家族のためにご飯とみそ汁を作れる子は小学生1%、中学生1%、高校生1%です。   日本全国どこへ行ってもそうです。  子どもを台所に向かわせずに子供には勉強をさせる。   お金で済ませられれば人にしてもらおうという感覚が出来上がってゆくという事を痛感しています。  子育ては嫌なことなんだという人たちを増やしてきていると痛感しました。

子どもたちが25歳になった時に、4人の女の子が私と会う機会があり、4人が同じことを言いました。   「毎日弁当を作っています。 弁当を作ることが楽しいです」と。  結婚している子がいて自分の子を台所に立たせています。  2歳、3歳児です、子育てが楽しいと言っています。

店に買い物に行くと大人との会話もできる訳です。  地域とのつながりも出来る。    ドキュメンタリー映画弁当の日』が2020年10月に作成されました。   2021年4月から自主上映方式で全国で上映されます。