2021年4月17日土曜日

サキタハヂメ(作曲家・のこぎり奏者)  ・「〈2〉人や自然と共鳴したい」

 サキタハヂメ(作曲家・のこぎり奏者)  ・「〈2〉人や自然と共鳴したい」

学生時代のこぎりを楽器の弓で演奏する音色を聞いて感銘を受け、その技術を独学で身につけて国の内外で演奏活動を行ってきました。   同時に作曲家としてTV、映画、舞台などの音楽を数多く手がけ現在放送中の、連続TV小説「おちょやん」の音楽を担当しています。  サキタさんはのこぎり音楽と「おちょやん」のドラマには共通する魅力があると話します。

子供時代は父親がウクレレをやっていて、母親が童謡のレコードをかけてくれた時代がありました。   そのおかげがあるのかなあと思います。   バンドブームの時代で高校に入ってからギターを始めたりバンドを始めたりしました。   ギターが面白くなってアコースティックギターもエレキギターもやるようになりました。   中学の時代、何故か男は35歳からだと思っていました。  

大学に入ってチンドン屋という世界を知り、興味があって入ってみたらCM音楽とおもって、バンドの活動と違うし、ストリートパフォーマンスとも違って、いろいろ学ばせてもらいました。   チンドン屋さんから頂いたものを今回「おちょやん」の音楽に入れさせてもらいました。  最初はチラシ配りから始めて、バンジョーを引くようになって、最後はチンドン太鼓も叩かせてもらいました。   2年生から卒業まで3年間やっていて卒業論文もチンドン屋さんに関するものでした。   チンドン屋さんが通ることで、化学変化が起きる様な感じがします。   シンプルなメロディーラインのみのパワーみたいなものにすごく感銘しました。  芸、音楽が商売になってゆくのはそういう事なのかとか、クレームがあったときにチンドン屋さんはどうするのかとか、いろんな経験をさせてもらいました。     就職しようと思って呉服問屋に5年ぐらい働きながらライブなどもやっていました。   

2000年にCD『はじめにきよし』を鍵盤ハーモニカの新谷キヨシさんと一緒に出しました。

*「ホットでお茶を」 

1997年、2004年 世界大会で2度優勝。   

アメリカには何度も行っています。  イタリア、フランス、フィンランド、エストニア、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、韓国、チェコなどいろいろな国に行きましたが、どこへ行っても反応は同じで、最初、目をキラキラさせて、面白い曲をやると笑ってくれるし、美しい曲をやると喜んでくれるし人類共通だと思いました。   子供たちに向けた演奏では本当に目がキラキラさせます。  ステージ側から見て欲しいと思います。

2015年堺市の南の河内長野市に移住。   ミュージカルスクールでやらせてもらったり、校歌を作ったり仕事は東京と河内長野市が多くて、ノコギリ奏者として木を考えていると、河内長野市には7割ぐらいが山だったり森だったりして、森をみていたらパイプオルガンに見えて、音絵巻シリーズという事で、自然、風土、歴史からイメージを受けたものを自分なりに音と光で描いてゆくシリーズで7年目なります。   他のアーティストを巻き込みつつ、地元の人も巻き込みつつ音のエンターテーメントをやっています。

自然の中にはいろんな音が聞こえてきて、楽音と分け隔てが無くなっています。  水の音も楽器みたいに感じます。  山の中とかタイムマシーンに乗っているとか、そういう事が作れるようになった感じがします。

河内の木を使って奥河内三弦を作りましたが、三味線の様でもあり、馬頭琴、三線、チェロの様でもあります。  

*「森の風景」 即興

自分で思っていたものよりもいい楽器ができました。  

ミュージカルソーを動物たちに向けてあるいは鈴虫に向けて演奏すると、反応して鈴虫が鳴き出したりします。  400匹の前で演奏したときにも鳴きだしました。    海の動物たちに聞かせると会話ができるのではないかと思って、ダイビングの免許を取って海の中で演奏したら、全然響かなくて、やはり空気がないと駄目だと思いました。  上野動物園とかで動物たちに向けた音楽をやっていて、面白い事がどんどん叶いそうになってきています。  コロナが収まったらいろんな所へ届けたいと思っています。

*「光のさす方へ」