2021年3月14日日曜日

奥田佳道(音楽評論家)         ・【クラシックの遺伝子】

奥田佳道(音楽評論家)         ・【クラシックの遺伝子】 

*「ブエノスアイレスの春」  作曲:アストル・ピアソラ アルゼンチン生まれ

今年生誕100年 春の息吹、力強さを感じる。  ブエノスアイレスの四季 の中で最初に夏、秋、冬、春と作られている。 

ピアソラはアルゼンチンタンゴの作曲家ではあるが、伝統的なアルゼンチンタンゴのファンからはピアソラはタンゴを破壊してしまったといわれた。(前衛的、踊れない)

ピアソラの音楽が今の若い音楽家にどんな遺伝子をもたらしたのか、ピアソラはクラシックの人なのかタンゴの人なのか。

1921年生まれ バンドネオン奏者として活躍。  ピアソラはクラシックの作曲家を目指して渡仏し、パリナディア・ブーランジェに師事する。  タンゴを元にクラシックジャズの要素を融合させた独自の演奏形態であるTango Nuevoを産み出した。

*「プレパレンセ 」 (タンゴ) 作曲:ピアソラ  30歳の頃のもの

若いクラシックのアーティストやバンドネオン奏者たちが改めてピアソラの音楽に夢中になっている。

*「天使の死」 1962年の作品  作曲:ピアソラ  タンゴの遺伝子があるのか、フーガの遺伝子があるのか、といった曲。 フーガですが、ベースにタンゴの彩がある。  40代の作品

ジャズミュージシャンが一番夢中になる作曲家がバッハじゃないですか。 ピアソラはアルゼンチンの現代のバッハのような存在なのかもしれません。

アントニオ・ヴィヴァルディの「四季」を意識して、ピアソラも作りました。

「ブエノスアイレスの冬」   作曲:ピアソラ 

*「タンゴ」   作曲:ストラビンスキー  ピアノ曲

「オブリビオン(忘却)」  作曲:ピアソラ   1984年に公開されたイタリア映画『エンリコ4世』のために書き下ろされた5曲のうちの1曲  ピアソラ60代の曲

『リベルタンゴ』(Libertango)  作曲:ピアソラ 

Libertangoという単語は、libertad(自由)とtango(タンゴ)と合わせて作った混成語