2019年11月28日木曜日

森本千絵(アートディレクター)      ・【私のアート交遊録】夢をカタチに、人をつなげる!

森本千絵(アートディレクター)・【私のアート交遊録】夢をカタチに、人をつなげる!
森本さんは武蔵野美術大学を卒業後、大手広告代理店に入社、31歳の時にデザイン事務所「goen°」を設立します。
これまでNHKの大河ドラマや朝の連続TV小説のタイトルワークを始め大手企業の広告、映画や舞台の美術、「ミスターチルドレン」のジャケットや組曲のCMなどその活動は多岐に渡ります。
この間数々の賞にも輝いています。
映画「男はつらいよシリーズ」の最新作のキャラクターやポスターのデザインも製作、現代的で可愛らしい寅さんの通信アプリ、ラインのスタンプも製作しました。
物つくりは常にだれと向き合い、誰かに届けるための心を込めた手段だという森本さんに伺いました。

ご縁あるものはデザイナーという形で創造し発揮できるご縁あるお仕事は、初めての事でも想像つかない案件でも全部引き受けてしまうという感じです。
広告、から始まっていろいろと広がってゆき、建築家、保育士とかのプロの力を借りながら、こういうものができたらいいなあと着手してゆく形です。
出合って行くと依頼主を好きになって行ってしまって、自分事のように何とか成功させたいと夢中になって、気付くとこんな場所に来てしまったとたびたび思います。
他力本願という事があり依頼主に手伝ってもらって、いい方向に導いてゆく自信はあります。
心配性な楽天家だと思います。
常に心配はしていますが、迷ったらこっちに向かった方が明るいなと思う明るい方を選びます。
損得勘定ではなくてそうしています。
沢山失敗しますが、それが必ず次の仕事に生かされていきます。

一つの仕事がありがたいご縁で手がけさせていただいて、結果次の御依頼を頂いて有難いと思っています。
ご縁は外国語では一言では言えません。
2006,7年ごろにご縁を可視化して、ご縁を形にできるようなデザイナーになりたいと確信して会社名も「goen°」にしました。
右上の丸は温度の単位のような、次につなげるフックが欲しくて入れました。
私は人の中に自分を見てゆくので、誰かに出会うとそのなかに新しい自分を発見したり、そうするうちに少しだけ気持ちを解放してゆくと、自分の体から離れて大きくなってゆくような、物事を柔らかくとらえていけるようになってゆくので、出会う数だけ自分が増えて行く、それをSNSを通して文字を通してという事もありますが、身体を通して出あってゆくと気持ちは開放されてゆくので一歩踏み出してほしいとは思っています。
若い時には社会と自分との思いの違いにどのように対応するかとか思っていましたが、この頃は耳を傾けて、だったらどうしよう、こういこうかと一緒に向かうようになりました。
2011年の震災を経て自然の中に人間は生かされているんだなと、もっとそれぞれとつながって支えあって作っていかなければならないなと思いました。
普段競合する会社同士がつながって、大きな一つにしないと実現できなかった広告で協力させていただいた時に、こうなった方が一人でも多くの人に届く力になるとは実感しました。
子どものころからこうしたら面白いというようなことを書いたりして、そういったものを通して友達も増えていきました。
あまり喋らない存在感のない子でしたが、書くことは好きでした。
これをするとみんなが喜んでくれて私に話しかけてくれるんだと思って、そこからは演劇、手を動かして参加できるものとかには参加してその延長で中学、高校ときて、答えにできないことを絵でやる仕事はいいなあと思って、商業デザインのようなことはしたいと思いました。
「人と考えは違っても、その考えが無ければ今の世界は変わっていない」というアップルの広告に強く感銘を受けて、広告でも世界を動かしていく、世界を動かしてゆくべき人たちの心を動かす可能性があるという事を感じて、ここで何かしらやろうと思いました。
子どもたちの教育、医療、街つくりでも人が介在する限り必要なんだと実感してそれで仕事の幅も広がっていきました。
「男はつらいよ」 50作目の「お帰り寅さん」という最新作。
家族の触れ合い、ご縁、人情を大事にする世界で、日本には寅さんが必要だとより強く思いました。
サウンドオブミュージックと寅さんは大好きです。
2011年の時に落ち込んで行ったときに、寅さんのDVDを見ていったら、尊い命、家族の温かさに勇気を頂いてSNSでつぶやいていたら、寅さんの恰好をして一日館長をして、山田監督が見て劇場に現れて、しゃべり方を練習させられました。
それがご縁で付き合いあがあり、今回のお話に繋がりました。
数年後何をやっているのか見当もつかないが、この輪が広がっていって世界での仕事を増やしていきたいと思っています。
クリスマスを尊敬していて且つ嫉妬しています。
世界中でそれぞれ参加していて、頂いた仕事もそれぐらいにしたいです、うらやましいと思っていたら、二子玉川でクリスマスツリーを担当させていただくことになりました。