2019年10月14日月曜日

永里正彦((永里源気・優季・亜紗乃)の父) ・【アスリート誕生物語】プロサッカー選手・永里3兄妹

永里正彦((永里源気・優季・亜紗乃)の父) ・【アスリート誕生物語】プロサッカー選手・永里3兄妹
3人のプロサッカー選手を育てた永里さんに伺います。
次女亜紗乃が出産し孫ができました、かわいいです。
長男源気には二人の妹がいて、我が家では先駆者です。
それを二人の妹は見ているわけです。
源気にはコツコツやるのともって生まれたもの、両方とも兼ね備えているような形があります。
長女優季はコツコツやるタイプ。
次女亜紗乃はもともとセンスがいいんで、ちょっとやると難しいこともできてしまう。
高いレベルでスポーツをして欲しいという希望がありました。
たまたま厚木市がサッカーが盛んでサッカーと出会いました。
幼稚園にサッカークラブがあり源気はボールをよく蹴っていました。
やったことはなかったですが、私もサッカーのコーチを目指すようになりました。
サラリーマンをやっていましたが、1993年に会社を興して同時にサッカーのコーチを始めました。

私自身、スポーツで得られた協調性、協力して何か一つ物を作り上げるとか、成功もあり失敗もあり人生の糧となり、自分に戻ってくる、そういう経験をしたので子どもと一緒にスポーツを考えて見ようと思いました。
高いレベルでやって欲しいと思いました。
海外に行ってほしかったので、厳しくしてあげた方がいいと思いました。
ベースをつくってやって後は子どもたちで考えてもらうようにしようと思い、あれしろこれしろとは言いませんでした。
サッカーを深く知るためにはコーチをやるという事につながっていきました。
コーチとしては厳しかった、答えを言わない。
一番厳しかったのは妻に対してあんだけやってくれているのに、なんでそんな口を利くの、そのことを物凄く叱りました、お母さんがいなければサッカーできないんじゃないのって。
イエス、ノーで答えられない質問をずーっとしていました。

サッカーを始めて、リフティングがあるが、ある時期から毎日やるようになりました。
目標をもってやりました。(テニスボールでのリフティングで何回とか)
子どもたちはサッカーを辞めたいとは言いませんでした。
私は言う立場、妻は聞く立場でやっていました。
厳しく言う人がいて、聞く人がいる、その環境が良かったと思います。
今でも同じです。
理不尽な親父のお陰で俺はプロに成れた、と源気は言っていますからひどい言い方もしたと思います。
妻は絶対いなければいけない人だとみんな思っていると思います。
小学生低学年の時に「精力善用自他共栄」という言葉があり、加納治五郎さんが弘道館を作るときに掲げた言葉です。
この言葉が気に入って家に掲げました。
子どもの頃には意味とか説明しませんでした。
そのうちに子どもも判ってきました。
目からの情報と耳からの情報があると思いますが、耳からの情報は歳をとらないと判らないことがいっぱいあるが、目からの情報はずーっと残ると思います。

考えたら全部答えが出るかというとそんなことはない。
そのことは判ったと思う、でも考えないといけない。
どうしたらできるか、それを問い続けたからだと思います。
同じ競技を子どもたちがしてきたが、それは親は楽ですね。
コーチとして伝えられない部分は考えてやって、と言いました。
本質はゴールを決めることと、ゴールを決められないことだという事は一生懸命伝えたつもりです。
だから3人ともフォワードです。
親として心掛けてきたことは、一つができるからと言ってこれもあれもとやらなかったこと、例えば数学ができるからと言って国語も社会もできるようになれとか、という様には言いませんでした。
出来ないものはできないでいいという気持ちでいました。
しつけも同様でした、自分がなにかされたことに対して、してもらったことに対しては必ず礼儀を尽くしてほしいといいました。
勉強は一切、やりなさいと言ったことはないです。

妥協しなかった点は、睡眠、我が家の消灯時間は9時だったので、年に一回チームでのカラオケ大会があって、9時に寝るためにみんなで帰ったことがあります。
食事については冷蔵庫には牛乳とオレンジジュースは常にありましたし、コンビニの弁当はかわさせないで、どんなに忙しくても妻の手で作った弁当にしました。
後に母親に対する献身さが判ってきたと思います。
健康管理のポイントは睡眠と食事は当たり前ですが、自分の体を大切にすることだと思います。
例えばサンダルを履かないで靴を履くとか、自分の体は自分で守ることを小さいころからやっていました。
エアコンは使わず寝ていました。
エアコンを使っていると発汗作用が劣ってきます。
普段は私がしゃべらないと怖かったと思います。
頭ごなしに言われる方が楽だと思います。
厳しい状況の中で選択する能力、判断する能力、決断する能力は絶対高まったと思います。

2015年女子ワールドカップのカナダ大会、長女優季、次女亜紗乃が姉妹同時出場をしました。
夫婦で海外で試合を見るのはその時が初めてでした。
旅費は娘が出してくれました、嬉しかったです。
私が亜紗乃の、妻が優季のユニホームのレプリカを着てスタジアムで見ていましたが、目立たないところにいましたが、パッと抜かれて私たち二人がビジョンに出ました。
それが国内に放送されていてびっくりしました。
その試合では指導者の目ではなく親の思いで娘しか見ていませんでした。
妹がグランドに駆け寄って、・・・優季の肩を抱える姿を見たときには・・・涙が出ました。(涙ぐんで言葉を詰まらせながら話す。)
自分の人生なのでやり切ってほしいなと思います、それが私からすればそれが一番の親孝行だと思います。