2018年11月7日水曜日

根本一徹(僧侶・いのちに向き合う宗教者の会代表)・もう誰も死なせたくない

根本一徹(僧侶・いのちに向き合う宗教者の会代表) ・もう誰も死なせたくない
昭和47年東京生まれ、24歳の時にバイクを運転していて事故に遭い生死の境をさまよう中で、生きる事の意義を考えるようになりました。
退院後は仏門に入ることを決意し、厳しい修行を重ねました。
現在は岐阜県関市の大禅寺の住職を務めながら、自殺防止の活動に取り組み全国から訪れる人々の話に耳を傾け、寄り添い続けています。

14年ほど前から始めています。
いつでも電話をかけて下さいと全国に発信していましたが、活動をやり過ぎて身体を壊してしまい、救いたい人も救えなくなってしまうので、面会の相談を優先するようにしました。
電話、メールとかで人生を左右してしまっていいのかと、良いと思ったら電話相談、メール相談があるのでそっちに行ってもらって、自分の転機としたいと思ったら来てほしいと、そうしたら自分も命がけで取り組むよと言うことにして数は少なくなりました。
全国各地から、10~80代まで男女同じ様な割合でいらっしゃるようになりました。
緊急状態の時には行って話を聞いたりしています。
電話、メールだと相談して解決した後又戻ってしまうとか、定期的に電話しないと不安を感じたりして依存みたいになってしまうような時があります。
多い時は週に5,6人で、通常は2~3人ということでやっています。
生き方とか人生を見つめてみたり、魂をどう磨いていくかとか一緒に悩んでいます。

来られる方の悩みは様々ですが、誰にも苦しい気持ちを伝えるのが何処にもないと言うんですね。
話せる相手仲間がいればいいんですが、放っておいて手がつけられなくなるような状態になって、周りが動き出すと言う様ではもう遅いので、その手前で早めに気が付いて自分で解決できるような、仲間とかときっかけができればいいなあと思って、そういう活動をしたいと思っています。
とことん話を聞くと言うのが気を付けているところです。(本当の理解)
悩んでいることが判って来るとストーリーが判って来る。
自殺を止めるのには何かできないかなと思って、相談の現場でも色々試したり、みんなで命を見つめる時間にしたいと思って、講座等もやっています。
参加する方に紙に大事なもの(家族、夢など)を書いていただいて、それを一つづ捨てて行く。(真剣に悩みます)
最期の一番大事な一枚も捨てて、死というものは一番大事なものをなくすことなんだよと説明する。
対人関係で悩んでいる方が多い。
心に余裕がなくなって、やらなければいけないと思う事が増えて行って、減らすと言う事が出来なくて、本当に大事なものは何なんだろうと、そこを掴まないと流されてしまう。

大事なことを12枚書いてもらって、一枚ずつなくして行き、そうすると大事なものの優先順位が決まってきて、最期に残るものが残って、色んなことに意識が行っていたなということに気付くと、生き方が変わってくる、人生の羅針盤になって行くのではないかと思う。
最期に二人一組になって20分間この世に言い残したものを言ってもらうが、そうすると感謝の気持ちが出て来て、涙して去っていくんですが、また生まれ変わった時には羅針盤があるので、もう一回生きなおそうと、生まれ変わった友達がそこで出来上がって、命を見つめる場が出来て来ると、なんかあった時に何でも話せる仲間ができるのではないかと思って、やってる訳です。
もし自分が死ぬとどうなるかと言う事を実感してもらうのが大事です。
自分が死ぬとやりたいことも出来なくなり、大事にしている人とも会えなくなる、失いたくないものは何だろうとそこで気が付くと、失いたくないものに時間なり思いなり、自分の生き方を変えて行く上でヒントになるのではないかと思い、模擬葬儀で一回死んでもらうと言う事で気付きがあったり、いざという時の行動にブレがなくなるのではないかと思っています。
模擬葬儀で最期に死ぬ前に一言残して、私がお経をあげて葬儀を始める。
「こんな自分だったけれど皆さんありがとう」と感謝の気持ちを言うと、孤独ではないと気付くこともあります。
今まで苦しんでいたことが小さな事に見えて来ると言うか、昔の事に句読点が打てると言うようなことが起こりやすい。

仏教が好きだった訳ではなくて座禅には興味がありました。
明け方、私のバイクの横っ腹に24歳の女性が突っ込んできて、過失割合が私が0.5で相手が99.5で相手が悪いと言うようなことでした。
私は6時間意識が無くて3か月間入院という事故でした。
膝が曲がらなくなってしまって、ここで終わったら自分の人生は一体何だったろうかと感じるようになりました。
価値観が変わって全てがむなしいようになり、自分を見つめ直したいと思うようになりました。
僧侶募集の記事を見付けて、志望動機をレポート用紙に20枚書いて行って面接に行き受かりました。
厳しい修行をしました。
母の弟が離婚直後に自殺しました。(地域でも凄く人望のあるリーダー格の人でした)
長男が自殺したので動転して、父親が階段から落ちて頭を打って、11年間意識が戻りませんでした。
人生のはかなさ、虚しさ、人間の命ははかないと思ったりして、ショックを受けました。
中学校の同級生で優しくて頭のいい友人が、22歳で自殺しました。
高校時代にバンドをやっていた友人が28歳で骨と皮だけのような状態で自殺しました。
3人の自殺が大きくて、色々悩みました。

どんなに悩んでも自殺だけは避けてほしいと思いました。
生きたいと言うエネルギーのベクトルと、死にたいと思うベクトルは表裏一体で同じなんだと、皆さんおしゃっていて、幸せに生きたいと言っている人間に、死なないと誘っても全然訳がわからない訳で、死ぬことが目的でその先には楽があると言う事がしみ込んでしまっていて、死ぬことだけにプランを作ることだけに集中していて、そこに死ぬなといっても何言ってんのいう感じで、生きたいと死にたいは同じベクトルだと言うんですね。
自殺しようと思って目的地に行ったが大雨で2日間待っていて、切って出血多量だったが、旅館の人が連絡して助かった、と言う事例もあります。
何かのきっかけで死をまぬがれることもある。
きっかけ作りを提供していきたいと思っています。
「いのちの深呼吸」(自殺防止活動に取り組む僧侶・根本一徹さんの日常を追ったドキュメンタリー。 根本さんの活動に魅了されたアメリカ人ラナ・ウィルソン監督が、3年半にわたり日本で撮影を行った。)