2022年10月26日水曜日

外山康雄(水彩画家・ギャラリー主宰)  ・【心に花を咲かせて】 野の花絵に野の花を添えて

 外山康雄(水彩画家・ギャラリー主宰)  ・【心に花を咲かせて】  野の花絵に野の花を添えて

1940年東京深川生まれ。  南魚沼市に古民家を再生した野の花絵のギャラリーがあります。   そこは野の花絵の画家として知られる外山康雄さんの個人ギャラリーで、和風の建物の入り口には大きな壺があって、こんもりと季節の花が生けられています。     入口の暖簾をくぐると壁のちょっと低めの位置に野の花の絵が沢山飾られ、その前に絵と同じ野の花が飾られているんです。  よく見かけるイヌタデなども外山さんの絵になるととっても魅力的で、そのまえに飾られている本物のイヌタデも輝いて見えてきて、なんだかそこにいると野原に遊んでいる気にもなる、とっても不思議な感覚なんです。   何故そのようなギャラリーを作ったのか、野の花の絵を描くのは何故なのかなど伺いました。

最初は野の花を一緒に飾る事はなかったんですが、たまたま本物の花があって喜ばれて、この展示方法があるのかなと思って段々変わっていきました。  季節の花を描いているのでこういう展示方法が可能となりました。  花を届けてくれる方がいます。  野の花が咲いているような演出の仕方がいいと思って、低めに展示しています。 

最初は油絵で風景とか人物を描いていましたが、仕事をしながらだったので、油絵は準備とか洗ったりすることが大変でつい遠ざかってしまいました。   スケッチブックをもって散歩に出たら花に出会いました。(35歳ぐらい)  印刷会社でデザインなどの仕事をしていました。  花の持っている特徴とかすばらしさをどうにか描けないものかと思って、スケッチして色もできるだけ忠実に丁寧に描きました。  描き貯めたものを友達が観て、もったいないという事でロビーを借りて飾りました。  はがき大だったので額にいれて飾りました。  その後段々作品も大きくなりました。  植物と同じ大きさに描くという事はこだわっていました。   

店の撫子と野に咲く撫子の姿が全然違うんですね。  知り合いからも日本の花を持ってきてくれたりして、益々日本の花に興味を持つようになりました。  除草剤をまいて野の花も消えてしまうものもあります。  野の花の輝きを一瞬で描いてしまおうというような感覚で描いています。  花の場合はできるだけその日のうちに仕上げてしまいます。   

ギャラリーは20年目になります。  56,7歳で会社を辞めて、60歳からギャラリーをはじめました。   リピーターの方が多くて、その人たちが応援してくださっているので、それを力にして続けています。   湯沢駅に新幹線が出来た頃に、広い駅長室で展覧会をしないかと言われて飾ったら、東京のギャラリーの方が絵が欲しいのでうちと契約してほしいと言われて自信が付きました。   寝込んでしまってその契約はなくなりましたが。 絵を売るのが本意ではないので、売らないで見てもらえるようにという事で、野の花のギャラリーが実現しました。   絵葉書、便せんなどを作っている会社が私の名前入りで売ってもらえるので、ギャラリーは続けてこられました。  

ギャラリーの最初の頃の絵の方がよかったように思います。  段々花に媚びるというか、見せるための絵を描いてしまう、それが目に付くようになってしまったような気がします。茎なども、いくら細くても平行線を引いてあげて下書きを描いてあげれば楽なんです。  地面から水を吸い上げることを意識して描いています。  茎は1mmもないような線です。面相筆を使っていた経験があるので細い茎などに色を付ける時その筆は使いやすいです。 下書きはシャープペンシルの0.3mmというのがあり、それで引きます。  面相筆一本で描きます。  絵具は普通の絵の具です。  その会社も製造を中止してしまいましたが、沢山いただいて150歳ぐらいまで使えそうな量です。  

借金をして古民家を購入しました。 反対する人もいましたが、妻が賛成してくれました。   古民家を購入するというのは偶然です。  周りの人からいろいろ応援していただきました。   山野草はほとんで持ってきてもらえます。  地域の人にも応援してもらっていて、雑草取り、飾りつけなどもやってもらったりしてます。   

野の花を見ていると人間の創造力なんて大したことないとつくづく思います。   本物の花を見て描けば神様の作った造形の凄さなどを伝えられるのではないかと思って、出来るだけ忠実に写生するように心がけています。  絶えず綺麗だなあという気持ちと凄いなあという気持ちと、小さな花の世界だけど周りに宇宙が広がっているという気持ちを絶えず忘れないようにすれば、これからも描けるんじゃないかなあと思っています。  花そのものに感動させる力があると思います。  人との出会い、花との出会い、運がよかったと思います。