2013年8月27日火曜日

山田澄代(ステッキ経営)      ・ハンディーキャップを逆転の発想で

山田澄代(ステッキ経営)    ハンディーキャップを逆転の発想で
75歳 ステッキの専門店を開いて19年、 日本初の杖の専門店を東京渋谷の商店街に開き、その後新宿の大きなホテルの中に店を移しました
山田さん自身、3歳のときに発症した小児麻痺、ポリオで杖なしでは歩けません
自分が使いたい、こんな杖がったらいいなあと、杖の手持ち、素材などを変えてきました
カーボン、アルミ、グラスファイバーなどを使用したカラフルな杖、折りたたみができる杖など、多種多様な杖を販売しています
自分が抱えるハンディーを自分にしかできないなりわいとして、今なお杖の世界を変革し続ける
山田さん、これまで歩んでこられた道をお聞きします

いま1500種類あります 福祉医療の役に立つもの 映画ファッションショー、踊りなどにも使われる
足の不自由な方だけではなく、おしゃれなどにも使われる
年代も高齢者だけではなく、若い人も来る 
値段は一般的は1万5000円~3万円  実際には6000円~250万円までいろいろある
杖専門の店は当時あまり無かった
3歳の時に急性灰白髄炎という、熱が下がった後に麻痺が起きる 小児麻痺になり、左足が全く動かない
学校へは母の背中に負われて、送り迎えをしてもらった(疎開先 相模原)

戻ってからは自力で通った 中学、高校は松葉つえを使って通った(雨の日は厳しい)
手術 小学校で2回 中学校でも手術する(固定手術 歩きやすくはなったが)
学校生活は体を動かすことはできなかったので、あまり楽しくは無かった
大学にも行ったが、途中で就職した(大きな手術のために親に負担をかけたくなかったので)
出版社に就職 2年働く その間に手術をする その間手術、リハリビが続いた
GHQが占領していたところが、第一生命だったので、日本一の会社と思い、そこにチャレンジしようとして、受験した 保険の営業マン 外交だった (22歳)

車でのお供、成績が良かったので自分で車を調達でき、ほとんど歩くのは無かった
勧誘方法のレシピを受け取って、ほとんど俳優さんに絞って、対応する(短時間で応対する方法)
トップクラスになる  給料は入った時は9800円 3か月目 3万円  その次が何10万円
(歩合制なので)  運転手つきの車で、部下も10数人いた
6年間 外交の仕事をやめる 結婚 29歳(別荘購入時の担当者)
お金で人生観が変わったことは無いと思うが、実際には変わったと思う
生れた子供が女の子 「複合汚染」が当時話題になり、パンを家庭で気軽にできればと思い、手作りパン教室を始めた(6回で卒業するので、生徒募集が大変だった)

機械でパンをこねればいいと思って、パンこね機を作ったが、敗退した
次に別荘地を売ることにして、俳優、医者に絞って売るようにした
夫が保証人になり、いろいろトラブルを起こしたりして、最終的に離婚した
マーケッティングリサーチの分野に変わる  商品開発 クリスチャンディオールの毛皮、宝飾の会社に入る
ポリオは60年間体内にビールスが残っているので、免疫力が弱くなったりすると、ビールスが攻撃を始める(だるい、睡眠障害とか、いろいろな障害が出てくる)
面白そうな仕事を次々に行う  
パーティーだとか企画をして、着る場所を拵えて進めるようにして、高額の毛皮が売れるようになった

大気中からエネルギーを取り出す事ができると言う事で、「宇宙エネルギー研究所」に投資をしてしまった  
とことんやった方がいいと思って、家を担保にして、預金を含めて、全部投資したがすってんてんになってしまった(56歳の終わりごろ)
私しかできないことで、何かできないかと思って、不動産があったが、自分自身が納得できる仕事は何かと思ったときに、ステッキに着目した
一挙に全国区の名前に知れ渡った(朝日新聞が取り上げてくれた)
最初は1~2本/月程度 自分でデザインして、作らせてというのを2年目に始める

デザイン、材質、長さ とかドンドン変えてきた
茶色、黒が主流だったが、色もカラフルにする
ハンドバックに入る折りたたみ式ステッキを製作する
福祉用品の業界で物凄いセンセーショナルになる

ポリオの影響でよく転んで骨折をする  5回も骨折をしている
高齢者が多くなる中で、転倒しないようにしていかないと、いけない
自分自身で転倒しないように、因子を理解して、転倒防止を広めていきたいと思っています
杖を自分で使っているという強みはある
杖の寸法があってないと、肩こりの原因、内臓のほうにまで曲がりができてしまうので、その人にあった寸法が必要
杖の下にはゴムがあるが、すれ切ってしまうのが問題で、交換は無料で行っています

バリアフリー法 進歩したが、杖の持ち手自身が杖を持つことに抵抗する人が多い
(自分はそんな歳ではないとか、よたよたしていないとかで)
アクセサリー的な小物として受け取ってもらいたいと思う
道路は良くなったけど、心のバリアフリーはもうちょっとかなあと思ったりしている
不要杖を集めて、地雷国の人たちに提供している(15年前から)
護国寺で杖の供養することにして、清められた後に、大震災の被災地に送ったりしています
生きることに対する欲が強すぎるのかなあと思う 毎日毎日が忙しい
私がポリオでなかったらと考えると、自分だけ満足して、贅沢な人生を送っていたのかなあと思いますね
古代の科学者 アルキメデスが「自分の立ち位置を教えてくれ、そうしたら地球だって持ち上げて見せるぞ」といったような事があるが、自分の与えられた、立ち位置を教えてくれたのが、ポリオではないかなあと、今、しみじみと思います