2024年1月7日日曜日

松岡洋子(声優)            ・〔時代を創った声〕

 松岡洋子(声優)            ・〔時代を創った声〕

三代目「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる声優の松岡洋子さん(69歳)です。 去年の12月に放送できなかったものをお送りします。 

漫画「猿飛佐助」の佐助役、「ハックルベリー・フィン物語」のハックルベリーなどを演じてきました。 多くの吹き替え、ナレーションでも活躍中です。 アニメでレギュラーとして最初に出演したのが1977年「おれは鉄平」(ちばてつやさん原作の学園もの)の原作には出てこないオリジナルの登場人物でした。 鉄平の友達のおにぎり君と呼ばれていました。 鉄平が野沢雅子さんでした。 公私ともお世話になりました。 「ゲゲゲの鬼太郎」の一期、二期の鬼太郎を演じたのは野沢雅子さんでした。 私は男の子の役が圧倒的に多かったです。 

子どものころはズボンをはいて、頭は短く刈り上げて男の子を従えて一日中遊び回っていました。  或る時廊下に大勢立たされましたが、校長先生から「女の子が一人いる。」と言われて、初めて自分は女の子だったんだと気が付きました。 そこから性格が180度変わりました。 幼稚園の時からピアノと合唱を習いました。 ピアノは辞めて歌は小学校卒業まで習いました。 中学からはひたすらスポーツをやっていました。 朝早くから父のテニスの相手をしてそれから学校に行っていました。 クラブはバスケット部に入って3年間やりました。 高校では何もしませんでした。 スクールメイツに入り踊ったりしていました。 電車で俳協養成所の一期生の募集の看板を見て、入ってしまいました。 そこで演劇との出会いがありました。(高校3年の終わりごろ)  少しづつ仕事をやるようになりました。 

演技を勉強していて、やっていることが楽しかったです。 そのころから男役が多かったです。  劇団を作って舞台を専門にやるようになりました。(声の仕事は中断) 年間200~250ステージやっていました。 即お客さんの反応が返ってくるので、そこが舞台のいいところだと思います。  声の仕事が段々多くなってきて舞台はほとんどやらなくなっていきました。 1994年に「ハックルベリー・フィン物語」、1996年から98年かけて第四期「ゲゲゲの鬼太郎」で三代目鬼太郎の役を担当。 この作品のことはあまり知りませんでした。 始まってから凄い作品なんだという事で、段々プレッシャーを感じるようになりました。 その時にはネズミ男が千葉繁さん、毎回アドリブだらけでした。 2008年鬼太郎の放送開始40周年記念で。短編アニメがありました。 歴代の主人公がみんな集まり、楽しくやらせて頂きました。(初めて) 

やんちゃな男役は楽にできますが、気障っぽい役は苦手です。 もともと低い声なので、無理やり作り替えるという事はないです。  女の子の役をやったこともありますが、声が低くて出なくて、二度とやりたくない思いです。 ナレーションも数多くやって来ました。  NHKの「マッサン」はシリアスなナレーションでした。  ナレーションをやる時には自分に一番近いトーンという感じです。  

ロボット物の役をやって、声を張って喉を壊してしまいました。 ポリ-プが出来て、1年ぐらい仕事が出来ないことがありました。  このまま戻らないのではないかと思って、心が折れそうになりました。 医者からは「1年間は声を使わないようにしてください。」と言われ悶々としていました。 

若い人たちへのアドバイスは、いろんなことを経験、体験して感性を豊かにしていって欲しいと思います。 セリフを言うには絶対ハートが必要なので、豊かな心になって欲しいと思います。