2020年1月12日日曜日

奥田佳道(音楽評論家)          ・【クラシックの遺伝子】

奥田佳道(音楽評論家)          ・【クラシックの遺伝子】
*中国の古い中国民謡『茉莉花』(モーリーファ Mólíhuā) 中国のピアニスト ランランの演奏
摩訶不思議な郷愁を誘うノスタルジックなメロディー。
今回は東洋の調べの遺伝子。
ヨーロッパと東洋とでは音階が違う。 5音音階で二つ少ない。
ドレミファソラシド のファとシを抜いた音階。
ドボルザークのスラブ舞曲、アメリカネーティブインディアンの使っている音階も5音階。
蛍の光 (もともとはスコットランド民謡)も5音階。

これを最も効果的に使ったのがプッチーニ 最後のオペラ 「トゥーランドット」より
*「栄光を、栄光を、ああ、勝者よ!」
壮大なオーケストラと合唱が響きとなって帰ってきたところ。
1920年代の音楽です。
* リューのアリア  「旦那様お聞きください」
リューの歌声が天に導かれるようで。
5音音階 ピアノでいうと黒のけん盤だけで出来ている。

ヨハンシュトラウスのお父さん ヨハン・シュトラウス1世 1820年代に中国人のギャロップを書いています。
*「中国人のギャロップ」
5音階ではないが東洋人のイメージをこの曲で表している。」

19世紀後半
*クライスラー「中国の太鼓」 1936年の録音 クライスラーのヴァイオリン
古き良き時代の演奏。
中国のメロディー、イメージをあちこちに感じます。
クライスラーが上海を演奏旅行した際に、上海の大道芸の中国人の動きを見てこの曲を思いついたともいわれます。

ラベル作曲のバレエ音楽 『マ・メール・ロワ』 「パゴダの女王レロドネット」
五音音階により、パゴダ (中国の陶器の首振り人形)の国の東洋的な雰囲気を表現して いる作品です。

*フランツ・レハールにも東洋を描いた名作があります。オペレッタ 「微笑みの国」
オペレッタというのは楽しくてハッピーでちょっとしたトラブルやできごとも最後には明るく笑って終わりましょうというのがオペレッタのパタンでしたが、レハールは「微笑みの国」で涙をテーマにしました。
メロディー全体もなんともしっとりとしてて沁みるメロディーが多いですね。
*フランツ・レハール 「微笑みの国」から「君こそわが心」