2012年4月20日金曜日

松村行栄(日本蝶類保全協会理事) ・姫ギフチョウの舞う頃

松村行栄(日本蝶類保全協会理事)   姫ギフチョウの舞う頃  
1954年群馬県藤岡市の生まれ  製薬会社就職するが、蝶の保護の為に退社 蝶の環境保全に取り組む  赤城山に生息する姫ギフチョウの保護と観察を行う
小学校の環境教育を応援して20年になりました  
私が蝶を好きに成ったのは 父が蝶を集めており 父に連れられて山の中を走り回っていた   3歳の頃から小学校の5年の時に先生が蝶に対して群馬県でも有名な先生でその影響を受けたブラジルの人との文通が始まり蝶の交換もあり刺激された  
35年ぶりにその人と会う機会があり、心臓が止まりそうなほどになり、気持ちが悪くなるほどだった
蝶を捕まえる所から守ろうとの思いで、昨年、会社を止める事になった 
今日本の蝶がどんどん少なくなってしまった  
250種の蝶が住んでいるが 1/4が絶滅寸前 スピードが急激に加速してきている
出来るだけ早いうちに対処しないといけないと思って決心した
鳥をみて楽しむ文化は多いが 蝶に対しては少ないので一般に広めて行きたい。
姫ギフチョウ蝶 環境が同様に悪くなってきている おもに北海道 東北 信州 に住んでいる 群馬県は飛び離れている 1986年に群馬県が天然記念物に指定しているが減少が止まらない状況に有る
 
「「赤城姫」(姫ギフチョウ蝶の赤城での名称)  唐沢孝一  カタクリに止まっている写真 
カタクリの咲く時期と姫ギフチョウの行動時期が違う為に写真に撮るのが難しい
私は10年掛ったが 唐沢先生は1日で撮ってしまった    
大きさが5cm あげは蝶と間違うような黒と白のまだらに成っている  
後ろの羽根の一番先に綺麗な赤の斑点がある
渋川市立南雲小学校の生徒と一緒に保護活動をしている 
姫ギフチョウの保護を始めたのが1987年 天然記念物に指定された翌年 地元の人にも知って貰いたくて 小学校の生徒に展開した  
歴代の校長先生が興味を持っていただいて続けている
 
環境教育の一つの窓口 姫ギフチョウの教育  成虫の飛ぶ時期に(5月の連休当り)全校生徒が山に行って観察する 
又幼虫の時期にもけむしを観察する
虫が少なくなってきていることを自分達の肌で感じる  
山を整備することを提案 親が山の手入れをするようになる 
子供が卒業すると親が地域の役員をするようになり、こんどは地域の活動に発展する  
地域全体で姫ギフチョウをどう守っていったらいいかと言うように地域全体に広がってきている 姫ギフチョウを増やすにはどうしたらいいかと言う事は我々研究者というか、愛好家は情報を提供できる  
その情報を元に 小学校の生徒とか地域の人達が、山を綺麗にするとか活動を進める 
そうすると行政がそれにバックアップして行政として全体を取りまとめをして下さる  
学校、住民、行政三つが旨くかみ合って活動が旨く言っている 
 
行政は パトロール、横断幕 市が予算をとり山の間伐へ提供している
赤城姫を愛する会 7人で結成 減っていっている原因を解明する為にデータを取る 
山の中で毎年卵の数を数える  
こうすれば姫ギフチョウを増やせるのではないかと活動を始めた   
今年も時期を迎えるが 寒かったので1週間は遅れてしまうかもしれない    
先ずは多くの人に見てもらって知って貰いたい   
注意して貰いたいのは無理に山の中に入っていって荒らして貰いたくない
絶滅した蝶はまだいないが、「兵庫もどき」はかつてはどこでも見られたが、今は兵庫の3市町村でしか見る事ができない かつての3%程度でしか見る事ができない

それに近い種が多くある    
少なくなってきている一番の原因は人間の生活様式が変わってきている 
自然との係わりが変わってきている
昔は山から木を切って炭を作ってきた 落ち葉を拾って落ち葉で肥料を作っていた  
炭が要らなくなる 落ち葉が要らなくなる と山が必要でなくなる
山に人が入らなくなると山が荒れてくる(鬱蒼として来る 鳥、昆虫等が住みにくくなる) 明治時代 赤城山は全山雑木林 それが高度成長時代に杉に置き換わっていった
杉の林が手入れされ無くなって 見放されて杉の林の下も手入れがされ無くなってどんどん変わってきている

姫ギフチョウは雑木林の蝶だったので姫ギフチョウはどんどん減ってきてしまっている
同じように変わってきてしまっているのが草原  かつてはカヤを刈ったり、放牧したり 常に草を刈られるようであったが いまは草原が無くなって来てしまっている
ゴルフ場、スキー場に変わってしまったところも多い  
ゴルフ場は草も西洋の品種に変わる スキー場も手入れするのはスキーのシーズンだけなので年間常に刈りはらわれる
状況とは違ってきてしまっている
環境変化 この50から60年で変わってきている 
里山 は人間が常に手を加えて人間とのかかわりを持ちながら環境を保ってきた
山、里山が、人間との係わりが無くなってきて環境がかわってきてしまっている

新しい蝶と人間の文化をどうするか どうしてゆくのかが問題
イギリスでは 伝統的な農業をするところには補助金を出す  
生物の多様性を観察するのに蝶をみることで生物全体を把握出来る可能性がある  
把握する指標になる 
イギリスでは蝶を観察することにより自然の変化を把握する  モニタリングしている
モニタリングをする為には蝶の種類を理解して貰わなくてはいけない 
そのために蝶の図鑑を今年中に作ろうと計画している   
今までは専門家的だったので 野外の写真 すぐわかる様にする  
似たような蝶に対しては違いがすぐわかる様に記載する
バードウオッチングはしっかりしている その様にしてゆきたい
蝶を中心に観察したいと言う人が少ない  
学校教育にも問題があるのでは、獲ってはいけないと蝶をじっくり見る機会が無くなってきている 文化の発信は学校教育に有ると思うので是非 学校教育とタイアップして蝶を愛でる 
蝶を観察する様な所へ結びつけていけたらなと思います