2020年6月1日月曜日

今森光彦(写真家・切り絵作家)      ・【オーレリアンの丘から四季便り】

今森光彦(写真家・切り絵作家)      ・【オーレリアンの丘から四季便り】
滋賀県大津市で里山暮らしをしています。
今から5年前、60歳を機に正式な農家となって耕作放棄地を購入しました。
竹やぶで覆われ動物たちも寄り付かなかった荒れた土地を、美しい里山の環境に戻すために地元の仲間たちと挑戦を続けてきました。
「オーレリアンの丘」と名付けたその場所から今森さんに日本人の心の風景、里山の四季折々の魅力を語っていたただくという新しいコーナーです。
第一回は春の始まりから初夏に向かう季節の話です。
(参照:https://asuhenokotoba.blogspot.com/2019/10/blog-post_25.html

コロナウイルスの関係で写真展などは延期になっています。
田園風景が広がっていてすごくのどかで、里山の四季感をお伝えできればと思っています。
「オーレリアンの丘」のオーレリアンという言葉はラテン語で金色という意味で,蝶々のさなぎに金色をしているさなぎがあり、オーレリアンというのは蝶々の代名詞に使われることがあります。
オーレリアンというと蝶々の愛好家という風に呼ばれることもあります。
蝶々をたくさん呼び寄せたいという思いがあり、ここをオーレリアンの庭にしようと思って名付けました。
子どものころは蝶々、のほかに魚、鳥、昆虫も大好きでした、中、高校生のころから特に蝶々が好きになりました。

日本には蝶が200種類いるが、私たちの住んでいるところには80種類ぐらいいて蝶々は種類はあまり多くはないです。
それぞれ暮らしぶりが全然違います。
今は70種類ぐらいが庭の敷地内で見られます。
そのような環境を作ってきました。
農作物を作ることは第一とはしないで、昔ながらの農薬を使わない里山環境を作って生き物を住まわせることが目的です。
世界中いろいろ回って人にも出会って、それぞれ自分のフィ-ルドを持っていてうらやましいと思っていました。
自分のところでやってみたいと思いました。

3月初めに里山では春の芽吹きが少しづつ始まります。
オウレン、スミレなどが咲き始めます。
庭のほうはオオイヌノフグリ、フキノトウなどの花が咲き始めます。
キタテハという蝶が真っ先に来て蜜を吸います。
なんで早く出るかというと成虫の姿で越冬してたんです。
体調は4cmぐらいでオレンジ色をしていますが、越冬すると色が剥げて行って黄色っぽく見えます。
冬は落ち葉の下にいて食事もしないので相当お腹が減っていると思います。
ベニシジミというオレンジ色をしたシジミ蝶が3月末頃来ます、大きさは1円玉ぐらいの大きさです。
幼虫で越冬するので色が鮮やかです。

4月になっての一番の変化は田んぼに水が入り、湿度が高くなり空気感が違います。
アマガエル、シュレーゲルアオガエルなどが鳴き始めます。
花はいろんな花が咲き始めます。
シュレーゲルアオガエルの指先は吸盤が膨らんでいて木登りが得意です。
色は鮮やかな緑色で美しいカエルです。
雑木林では山桜が咲き始め、そのほかいろいろな木の花が咲き始めます。
蝶々の数もぐんと増えて、モンシロチョウ、モンキチョウ、などがひっきりなしに飛んでいます。

農地は2月ごろから咲き始めるカンザキハナナと菜の花の2種類を植えたので、2月から4月の終わりまで咲いています。
普通の農家のやるものはあまりやりません。
樹木は時間がかかるので、計画的にレイアウトして植えます。
思ったような形になってくのでうれしいです。
30年もたったので最初の姿とは全然違います。
4月下旬ぐらいから雑木林の芽が広がってきて一気に変わります。
5月になると雑木林の中が暗くなってきて、グラデーションができそれが好きな蝶々が集まってきます。
特に私が好きなキマダラヒカゲがきます。(日影が大好きです。)
クロヒカゲ、ヒカゲチョウの3種類が多いです。

大きなアゲハチョウ、カラスアゲハ、モンキアゲハなど手のひらぐらいの蝶などは日陰と日向の間が好きです。
山つつじが咲き始めてそれがアゲハチョウなどは大好きです。
鳥も来てイカルという鳥は独特のリズムですごく透明な声で鳴いてくれます。
繁殖の時期なのでよく鳴きます。
ヒバリなども絶えず聞こえます。
ホウジロも木のてっぺんで鳴いています。
近くの農家では効率的にするために農薬を使ったりしていて、環境への両立はなかなか難しいところがあります。
「オーレリアンの丘」は環境についてはデリケートにかなり目を配ってやってきました。