2012年1月27日金曜日

宮田慶子(演出家)        ・常に挑戦私の演出家人生

宮田慶子(演出家)         常に挑戦私の演出家人生  
東京都出身の日本の演出家。劇団青年座(文芸部)所属
26歳で青年座 1983年『ひといきといき』作・演出でデビュー 話題作の演出を手掛ける 
オペラの演出も手掛ける 「沈黙」 遠藤周作  「朱雀家の滅亡」 三島由紀夫  
 「沈黙」 作曲は松村 禎三  13年掛ける  演劇の演出をはじめて手掛ける  
人間の内面を描いた作品  
どれほど異文化 と出会ったときに衝撃か キリシタンの迫害  現地取材もする 生月島 ここが現在もなお隠れキリシタンとしている 
現地に行くと空気が判る 何度も長崎 平戸等にいく  
生月島では祭壇もみさせて貰ったり 祈りの言葉(口伝)も聞かせてもらった
取っ掛かりがないとなかなか腰が上がらない (沈黙は学生時代から読んでおり取っ掛かりになった)
音楽の力は本当に大きい 演劇は台詞ばかり 演出家は行間を読む
台詞と台詞の間に心の中になにが起こっているのだろうと台本から読みとって役者に伝える  あらゆる可能性を考えながら最終的に絞ってゆく 
楽譜に書きこんで下さっているので読み解く  なにを求められたんだろう と言う事を探ってった  
オペラの装置として巨大な十字架が斜めにセットされている 
泥沼のような日本にはキリスト教は根付かないんだよと  宣教師がしゃべるんですが
これを元に突き刺さるように圧迫感が有り 巨大にそびえる 十字架  
お春 茂吉が原作にはない役者が出てくる 
原作は男性がほとんどで 女性の歌声をを入れたかったと思われる(松村先生が取り入れる) 「ロドリ」 ポルトガルの宣教師 アフリカ、インド、マカオを通り日本に渡って来る 幕府の役人が選択を迫る 踏み絵をするか 信者の命を救うのかの究極の選択を迫られる  
ここをきちっと演出したい
 
演出への興味は? →高校時代から文化祭等で興味を持った  
皆で力を合わせると凄い事が出来ると云う事が良かった 仕切り役が好きだった
大学から本格的に勉強して青年座に入る 
1年目は役者と一緒に役者の勉強をして2年目からは正式に演出の勉強を始める
20代の後半に 「ブンナよ、木から下りてこい」 蛙が主役 水上勉原作 の演出を担当  
食物連鎖 全ての命は強弱はあるが結局 命と言うものは繋がっているんだよ
と言うメッセージ  800校ぐらい回った 4~5年掛って上演した 
舞台と観客の関連性 こちらがゆるむと 観客の雰囲気もダラッとする 
緊張観を持ってやっていると観客もしゃきっとする この怖さを体験した 

東北のある地方のこと 農閑期に演劇を開催する事になって 準備をしていた時に 昼ごろに観客と思しき人達が座って何か食べながらしゃべっていた
こちらとしてはその人達が感違いをしているのではないかと 劇場が始まるのは夜ですよと 言ったら 「楽しみだから」と言う返事 チケットはあるし並ぶ必要がないのに
そういう風に言われて感激してしまった 
つまらないもの これはいい加減なものは見せられないぞと 精魂込めて作って持って行かなくてはいけないぞと思った 

負傷者16人」  オランダ アムステルダム パン屋を営んでいるユダヤ人の男の処に血だらけになったイスラムの青年が飛び込んでくる 
片言の会話の交流から始まって  この青年は自爆テロをしようとしている 
怪我をしているのを介抱する 自分がかつてホロコーストに親たちが送られた経験がある
つかの間一緒に住むが やろうとしていることは正しい事なのかと話し合う 
結果は衝撃的な結末になる
宗教を元にした、いさかいは 何千年も続き、一体どうしたら終わるのだろうと思う  
世界が抱えている最大の問題だと思われる