2025年10月14日火曜日

楠木新(作家)              ・70歳からの生き方のヒント

 楠木新(作家)              ・70歳からの生き方のヒント

人生100年時代、定年退職後仕事を続ける方もいれば、のんびり過ごしたい方、趣味や習い事などに熱中している方もいると思います。 しかし70歳を過ぎると体力的にも精神的にも衰えを感じることが多くなると言います。 そんな70歳以降の生き方や生き生きと暮らすヒントについてお伝えします。

「定年後」の本を執筆していましたが、50代後半から60代前半に会社を辞めた後の取材をしてきましたが、私が今年71歳になり、生き方を変えてゆく必要があるんだなと言うことを、いろんな場面で感じました。  これからの参考にしたいという事を含めて、お話を聞いてきました。  2017年「定年後」ベストセラーになりました。 (執筆が60歳前後)  2013年に60歳で辞めるのか、65歳まで務めるのか、大きな議論になりました。 取材をして面白くてやめられなくなりました。  阪神淡路大震災とかがあり、いろいろ悩んで47歳の時うつ状態で休職しました。  復帰はしましたが、40代半ばから50代の人で、60歳の定年を迎えるにあたってに定年状態に陥る人がいました。 「心の定年」と名付けました。 人生が凄く長くなったという事で、60歳前後で私自身がこの先どうしていったらいいか感じ始めました。  60歳前後の人に取材して出したのが「定年後」と言う本でした。

60代の取材の時には現役の雰囲気が残っていましたが、70歳ぐらいの人はその雰囲気が消えていました。  その人たちが仕事の話はもうしなくなって、テレビ番組か、健康の話などでした。  70歳を越えると、個人として、地域のこと、活動範囲も狭くなってくるのでその中でどう楽しんでやれるかと、いう風に変わって来ます。  70代になって来ると①死について語るようになる。 ②小さい子がかわいくて仕方がなくなる。(男性に多い。)   ③考え方、体力のバラツキが大きい。   今持っているもの、あるものをどうやって大切にしていくかがポイントなのかなと思います。 

①本当の寿命、②健康寿命、③資産寿命、④労働寿命(雇用されるのではなく何らかの仕事ができる。)この4つが大事だと思ってきました。  でも70代の人に聞くと、人間関係寿命(人との関係、人とのつながりを持っておくこと。)が凄く大事だなあと思っています。   ある80代の人から「人とのつながりが無くなって行くことが老いる事です。」と言われた時に 、大事なんだなあと感じました。  家族のことで言うと配偶者との関係が大事だと言われます。 (急に良くしようと思っても難しい。 忌憚なくコミュニケーションが出来る夫婦がいい。)  SNSで月に決まった時間に家族、子供家族が一緒にズームで話をするという事もいいことだと思います。  

人との関係を増やしてゆくのに、5つぐらいのバージョンがあります。  ①仕事をする。(人の関係は必ずついてくる。) ②趣味(他の人とつながっていけるような趣味がよりよい。)    ③ボランティア、地域活動(多種多様のものがある。 地区町村のホームページなど参考になる。)  ④学び(書道、卓球・・・ クラブ活動) ⑤少しでも自分の好きなことが有ったら自分の足で動いてみる。   顔つき、雰囲気が重要かなと思います。(プラカードみたいなものです。 柔和な顔つき、雰囲気 笑顔)  物事には光と影の部分があるが、良いところをきちんとみられるという事が大事です。  同じ状況でも、本人のスタイルによって受けとり方も違うのではないか。(良いと思うか、悪く思うか。)

「毎日良かったことを必ず書いてゆく。」  それを続けることが大事。  そこから自分の興味あることを捜すという事もあるかもしれない。  いい面を観れるようになる。 今持っている「もの」、「こと」を大切にする、という事に繋がってゆく。  失ってゆく中でどう楽しんで過ごしてゆくか。  最後、自分との人間関係が良くなる。  最後は一人になる可能性があるので、その時の人間関係は自分だと思います。