2023年12月27日水曜日

曳地トシ(オーガニックガーデン専門の植木屋)・〔心に花を咲かせて〕

曳地トシ(オーガニックガーデン専門の植木屋)・〔心に花を咲かせて〕 命が巡るワクワクする庭づくり

科学も使わず殺虫剤も使わず自然のままに庭を作り管理する事。 虫に花や葉っぱを食べられたり花の咲き方が悪かったり結構大変ではないかと思いました。 オーガニックには仰がれるけれどやっぱり無理と薬を使っている人も結構います。 そんな庭作りを仕事としてするのは大変なのではないかと想像しましたが、曳地さんはすでに30年に渡ってオーガニックガーデン専門の植木屋として活躍しています。 また本も出し平成6年2月には日本オーガニックガーデン協会を設立、オーガニックガーデンの普及に努めています。 なぜオーガニックガーデン専門の植木屋になったのでしょうか。 どんな方法だとそれが可能なのでしょうか。 何故オーガニックにこだわるのか伺いました。

始めたころはそんなの絶対無理とか否定的な意見が多かったです。 個人の庭で農薬を使わないで植木屋をやりたいなあと思っていましたが、そういう人はいなかったです。 公共工事で10年に一遍の寒波が来てしまい、植えた木の1/3以上が1年間で枯れてしまいました。  下請け業社が全部やり直さないといけない。  大赤字になってしまいました。 一度植木屋を辞める決心をしました。 実家に帰っていたら、良い仕事がある、植木屋だというんです。 自分がやりたいというスタイルの植木屋をやっていないのに、諦めていいのかなと思いました。 下請けを辞めて、個人の庭をお客さんにしてオーガニックでやって行こうと思いました。  

まずチラシを作り配布しました。 電話が掛かってこなかったら駄目だと思いました。 2週間全然かかって来ませんでした。  その後1本電話が掛かって来て、それから毎日電話が掛かってきました。  その年は何とか食べてゆくことが出来ました。 曳地さんたちが来るようになってから鳥たちが沢山来るようになったと言われました。(虫を食べにくる) 咲く花の色が良くなったとも言われました。(理由は判らない)  カイガラムシを食べるアカホシテントウと言うテントウムシがいますが、これが食べてくれるので様子を見ましょうと説明します。 最初はオーガニックで虫のいない庭をめざしましたが、虫のことを知らないとオーガニックが出来ないのではないかと思って、虫のことを調べ始めました。

娘の高校の担任が盛口満(現沖縄大学の学長)さんと言う方でした。 虫を取ってフィルムケースに入れて、娘に渡して、虫の名前と食草(何を食べているか)を教えてもらう、と言う事を繰り返しました。 幼虫と成虫は全然姿が違うので、図鑑には幼虫は載っていないのがほとんどだった。 虫は嫌いでしたが、綺麗な幼虫もいて、段々虫の姿にはまって行きました。 デジカメで虫の写真も撮るようになりました。  虫の本を作りませんかと声を掛けられました。(今までにないタイプ 天敵を記載) 生態系の面白さにはまって行きました。 虫好きになったら庭がもっと面白くなりました。  白アリはほかの生き物を嫌がるので、蟻がいると来ない。  うどん粉病の天敵はシロホシテントウ、キイロテントウです。 テントウムシは菌を食べるものと、カイガラムシを食べる、アブラムシを食べる、葉っぱを食べるテントウムシとか様々です。 

雑草は生やしていい、根から抜かないで5cmで刈ってしまう。(2~3週間に一遍刈る) 遠くからは芝の様に見えて、芝の様に手間はかからない。  その人にとって使いやすい庭を作る。 自然は奥が深い、知らないものだらけです。  庭がホッと空間だったら凄く素敵だなあと思います。 日本オーガニックガーデン協会を設立しましたが、オーガニックガーデンの普及ですね。 オーガニックガーデンマイスター講座を年に一回(4日間)やっていますが、120人ぐらい卒業生がいます。 7割ぐらいがプロになっています。 オーガニックガーデンが徐々に増えて行っています。