2017年4月19日水曜日

観世清和(能楽・観世流二十六世家元)・銀座で出逢う新しい能

観世清和(能楽・観世流二十六世家元) ・銀座で出逢う新しい能
観世流の新しい能楽堂が4月20日に銀座にオープンします。
渋谷にあった旧観世能楽堂が移転するもので、これを機会に一般の人達にも能楽を楽しんでもらおうと様々な企画を準備していると言うことです。
銀座の地は江戸時代に観世家が幕府から屋敷を拝領していたところで明治元年まで能舞台や家屋敷などがありました。
新しい能楽堂は銀座の中心部に建設された複合ビルの中に入っていますが、周辺に歌舞伎座や帝国劇場があることから、銀座を伝統文化の一大拠点にしたいとしています。
銀座で出会う新しい能、観世清和さんに伺います。

銀座6丁目の複合ビルの地下3階に構えることになりました。
和の文化を取り入れつつ地下を感じさせない雰囲気作りに心がけています。
能楽堂は渋谷の能楽堂の総ヒノキ作りの能舞台を釘を使わない組み立て式なので綺麗に解体して、運んで来て組み立てて復元しました。
屋根のひわだは新しくしました。
旧能楽堂は552席だったのを480席に減らし、前後左右の幅を広げました。
椅子も疲れないように人間工学的に工夫をしました。
目付柱は取り外しができるようにしました。(他の使用が出来るように考える)
(*目付柱→面(おもて)を着けた演者は、面の小さな目の穴から見える大変狭い視界でしかないので常にどこかに目標物を必要とする。舞台で舞い始めた演者が、目を付けて演技をする柱という意味で、目付柱とされている。)
正面から出来るだけ見られるように、正面席の数は増やすように工夫をしました。
イヤホーンガイドを導入する様にインフラ設備のしつらえをしています。
物語の場面場面の状況の説明は絶対必要だと思っていて、日本語ガイド、多言語ガイドも取り入れて行きたいと思っています。
バリアフリーも考慮しています。

銀座1丁目に三代将軍家光公から500坪の土地を10代目観世重成が1633年ごろ拝領しました。
243年間、明治維新まで居住をさせていただきました。
祝賀能、44年前の舞台開きの番組と全く同じで、宗教的色彩が強い天下泰平国土安穏という祈りの心の翁をして、鶴亀の前囃子、高砂を行います。
4月24日の晩に若手の特別公演を行います。(7時30分開演)
謡曲講座、入門講座などの催しも考えています。
きっかけが大事だと思いますので、生の能の魅力をふれていただきたいので、能舞台を見るとか、すり足とかそういったところからの講座をやってみたいと思っています。
2020年東京オリンピックパラリンピック、文化プログラムについては協力して、外国の方々に日本の文化をアピールしていきたいと思っていて考えています。
お茶、お花、お能 日本の伝統的な文化のエキスに触れて頂くようなことを企画していきたいと思っています。
近くには歌舞伎座、新橋演舞場、帝国劇場などがあるのでネットワーク作りをさせていただきたいと思っています。

伝統を守ることは魂を削って守っていかなければいけないし、伝統をいい形で後世につなげて行く、発展させてゆくことが非常に大事だと思っています。
息子は能の稽古ばかりだけではなく学校生活、学業と家業のいいバランスをとってもらう事が大事だと思います。(バスケットボール、生徒会長をやっている)
それと今しかできないことをやれと言っています。
過度の稽古はいけないと言っているが、役者の心は大いに真っ直ぐに育ててやらないといけない。
怒るだけでなくて、褒める時は本当に褒めてやれと言っています。
風姿花伝」は人生論であり、哲学書であり、経済的な事(一座建立)も言っています。
根本的な体幹、身体能力は必要なので、五感に沁み付けさせる、理屈の世界ではないので、体で覚えて行く。

平家物語の中に能楽の演目に取り入れられていないような素晴らしい物語が残っているが、そういうこともやってみたいと思っている。
阿古屋の松を復曲  震災に絡んだもの  復興の祈り
現代人の感性も大事なので、360度眼を開いていろんなものを吸収して、いろんなものを感じて感性を磨いて、現代人としての700年前の演目の捉え方も必要なんだと言っています。
現代人としての感性を磨くことも大事な事だと思っています。
能の体験、稽古をやって能を見るとまた違った世界が見えてきます。