2017年1月24日火曜日

小山やす子(書家)        ・美しき“かな”の世界

小山やす子(書家)        ・美しき“かな”の世界
92歳、去年10月文化功労者受賞されました。
書道の分野から女性として初の選出でした。
小山さんの書は特に雅なかなの世界を細やかに表現しています。
大正13年東京隅田区生まれ、子供のころから書道、お茶、お花、油絵など数々の習いごとをしてきました。
仏像、焼き物など美に触れる日々も大切にしてきました。
若い頃絵の才能を高く評価されていましたが、最後に選んだのが書でした。
平成14年毎日書道展で文部科学大臣賞、15年には毎日芸術賞、21年には毎日恩賜賞を受賞しています。
小山さんは今は筆の赴くまま書けばばいいという境地に立っているといいます。

稽古はひと月に2か所やります。(六本木で1回 自宅で4回)
空を見上げるのが好きで、功労賞をうけてせいせいして嬉しかったです。
書道の分野から女性初の文化功労章と云うことで、知らなかったので嬉しかったです。
平成15年に旭日章綬章受賞、21年芸術院恩賜賞、25年に紺綬褒章受賞。
朝は6時に起きて、7時から8時過ぎまで寝て、昼間のお手伝いさんが来て食事をして、お稽古に行きます。
毎日は筆は持たないです、書こうと思った時は何時間でも書きますが、腰が痛くなるほど書きます。
週に3回指導をしています。
何人いるか弟子は数えたことがないです。
厳しすぎると言われます、欠点が先に見えてしまいます。(自分のものを含めて)
展覧会の審査の時もすぐ悪いところが判ってしまうので、つい直してごらん良くなるからとつい言ってしまいます。
銀座で行われた現代の書新春展、解説の日には相当な人が集まりました。

かなの作品は繊細で雅。
かなは綺麗で優しくて、大好きです。(日本人である事がよかったです)
線を出すのが難しい、細い線がいいか太い線がいいかどうかはそのときにもより、歌の内容にもより、紙と筆にもよります。
1/3おろして書いてみると、途中で墨が無くなっちゃいます、その墨をどこまで続けるかと言うことは、墨の付け方にもよります。
実際に書いてみないと駄目です、と言うことです。
紙も今は柔らかいティッシュで拭きますが、昔は絹で拭いたんです、そうでないと墨も乗らないです。

墨も一度ではなくて、今の墨を使ったら古い墨で磨って重みを出します。
これも長くやらないとわからないです。
なるべく読めるように書きたいなあと思っています。
変体かなはあまり使わない方がいいと思っていますが、決まっている山の名前とかはその通り漢字で使わないといけない。
配置、細い線で行くか、太い線で行くか、考えると筆も変えます。
筆、紙、墨で紙と筆が大事だと思います。
筆も紙によって変えないとだめです。
新しい墨は使いません、切れが速い。(今の墨と昭和の初期の墨を使っています)
墨を買ったら寝かせなさいと言います。(年号を書きなさいと言っています 3~4年)
紙の模様と入り方を考えて、文字の構成を考えることが一番楽しいです、考えるのに3月も4月も掛かります。
紙はひと箪笥持っています。

大正13年東京墨田区生まれ、家は元禄のころからここにありました。
戦争でうちが駄目になり、油絵などをやっていましたが、みんな無くなりました。
洋服も縫いましたし、料理もうまかったです。
近くの駄菓子屋に行って食べて澄ましていて、お金を使うことは知らなかった。
女学校に行くのに切符を買うのを知らなくて、友達に買ってもらったことがあります。
絵が習いたいと思ってデッサンばっかりやりましたが(12~13歳)、終戦になり辞めてしまって、その後書に向かいました。
お茶、お花、和裁、なども習いました。
20歳ごろ仏像にあこがれて、京都まで行きました、仏像をみるのが大好きでした。
焼き物も好きでしたが、自分でやることはしませんでした。
李朝、魯山人とか、李朝が大好きでした。
絵の先生がいなくなってしまって、ぶらぶらしていたら書道をやるようになりました。
書道は女学校のころから好きで一人でやっていました。

お茶をやっていたときに掛け軸が読めなくて、できないということは嫌いで、良寛のもので良寛の書も一生懸命勉強しました。
毎日書くのを止められなくなる程好きになりました。(その時には絵の道具が全部焼けてなくなっていましたし)
書の本も買ってきて、かなは綺麗だなあと思いまして、本物と見比べて勉強して、違いを見つけて、本物を見るようにしていきました。
(桑田三舟先生)
博物館に行って、引き出しに入っていて、拡大して下さいと言って、普通はやってくれないが自分の勉強のためですと言うとやってくれました。
大きくすると筆使いとか、線の転折(筆の返し 力の入れ方等)がはっきりするわけです。
大きくしないとそういったことが判らない。
先生に付いた方がいいといわれて川口芝香先生に習いました。
かなだと線が細いので大きくしないといろんな部分が見えない。
歌の意味を頭に入れながら書かないといけない、有名なものはみんな拡大しました。
本物見ないと駄目ですよ、今の人はそれをしないから駄目ですよ。
自分で積極的に前に進む様にしないと駄目です。

気に入らないと作品を破いてしまいます。
書く時間は作品によりますが10枚書くときと1枚で書き上げることもあるし、20枚書いて書けないときはやめて、寝てしまいます。
若いころはふらふらになるまで書いて寝に行きましたが。
今は楽しんで書いています。
歌の意味をある程度汲んであげないといけないので、そういうことから考えて取りかかればいいなあと思います。
涙とか死ぬだとかということは書かないほうがいいと思います、明るく楽しい様なものを書くといいと思います。

本物を見なさいと言います。
みんなが個展をやるようになってそれは一番嬉しいことです。
教えることは、いろんな本を読まなくてはいけないし、勉強にもなります。
見て綺麗でいて、何となく親しみやすい字を書きたいと思います。
つい飾りをつけてしまうが、飾りなどはいらない、人に何となくあげたいような気持だけ込めた字でいいんですから、「かな」って難しいと思います。
「あけぼののつき」を書くだけで「つき」の位置を書くだけで20枚以上書きましたが、ずいぶん悩みました。
上に行こうか、下に行こうか5mmの差ですよ。
悩まないと向上はしないと思います。
配置の問題はあります。(月はうえに 山は川より上にとか 不自然な事はしないようにと言っています。)