2024年7月4日木曜日

永遠瑠マリールイズ(「ルワンダの教育を考える会」代表)・正しい教育で真偽の判断を~ルワンダ大虐殺30年

 永遠瑠マリールイズ(「ルワンダの教育を考える会」代表)・正しい教育で真偽の判断を~ルワンダ大虐殺30年

福島市にあるNPO法人「ルワンダの教育を考える会」の理事長の永遠瑠(とわり)マリールイズ(58)さんはアフリカのルワンダ共和国出身で。1994年のルワンダ大虐殺から逃れ、福島に移住しました。 2013年に日本国籍を取得しました。 「ルワンダの教育を考える会」の活動は、母国ルワンダでの教育の普及と日本での平和教育です。   隣人が殺し合い、およそ100日間に100万人もの命が失われたと言われる「ルワンダ大虐殺」、今日7月4日はルワンダ大虐殺」からの解放記念日です。 あれから30年が経った今、世界にはフェークニュースが溢れ、その真偽を見極めるためにも教育は不可欠だというマリールイズさん、積極的に活動を続けるその思いを伺いました。

福島に来て30年になります。 人生の半分以上が福島になりました。 ルワンダは標高が1100m~2500mで朝晩は涼しいです。 湿度の高い福島の暑さにも慣れてきました。 30年間の命を頂いています。 兄を亡くしていて遺骨も見つかっていないです。  壊れて言った心は回復はしない。  

内戦が続いていて、大統領の飛行機が墜落しました。 和平交渉の帰りに着陸しようとした瞬間にミサイルで攻撃されて墜落しました。 30年経った今でもどこの誰が仕掛けたのかはわかっていません。 ルワンダ紛争は多数派のフツ系政権および同政権を支援するフランス語圏アフリカフランス本国と、主にツチ難民から構成されるルワンダ愛国戦線および同組織を支援するウガンダ政府との争いという歴史的経緯を持つ。 多数派のフツ族系の政府とそれに同調する過激派のフツ族民兵によって、およそ100日間で少数派のツチ族と穏健派のフツ族およそ100万人が殺されてしまった。 7日からは爆弾が飛び交い、居ることが判ると殺されてしまうので、兎に角しゃべらず静かにしていました。 逃げてコンゴ難民キャンプに着いて、家族で難民キャンプで暮らすようになりました。 ジェノサイドの前の年に日本の福島に留学していました。 洋裁の研修をうけていた。(日本語を覚えって行った。) 帰って難民キャンプで「たすけて」と紙に書いたのが、日本のドクターの目に留まりました。 それがきっかけとなり再び日本にやってくることが出来ました。 日本は難民を受け入れるのが難しくて、留学という在留資格で受け入れてもらいました。  いまだにどこかで難民が生まれています。 

2000年に有志と「ルワンダの教育を考える会」を設立。 私は教育を受けたおかげで日本語を学べたし、いろいろ学んだお陰で命を繋いでくれました。 孤児が大勢いました。  この子たちが生きてゆくためには教育、そして戦争をなくすには教育しかないと思いました。 かつてのルワンダは若者たちの無知が利用された。 教育を受けたリーダーの言いなりになってしまう。 ですから考える力、互いを認め合う力が一番大事だと思って、ルワンダに学校を作って、教育を受けられない子供たちを受け入れ行こうとしました。 教育があれば平和も作れるし発展も出来る。  福島県の仲間と一緒に「ルワンダの教育を考える会」を作り上げていきました。  寄付を募ってルワンダに学校を建てました。 日本語にすると「良い文化学園」という名前にしました。 今、生徒は260人以上います。 世の中に送り出した人は500人を超えました。 卒業生から学校の保健師、先生、そして医師も誕生しました。  

ルワンダは経済発展をしましたが、その裏にはスラムみたいなところがあります。 格差が開いています。  日本みたいには、まだ福祉の面で目が届かない。 ツチ族とフツ族の対立は根強くあります。  分けてそれぞれの場所に住むという事は出来ない。 和解をすることを政府が進めてきました。  未来を生きる子供たちに争いのない国にしていこうと、しています。  7月7日から100日間ジェノサイドが起きた期間は、スローガンのもとで過去を忘れない、力を合わせながらこの国の発展をさせて行こうという事で、さまざまな勉強会、テレビ、ラジオでの加害者の証言、被害者の証言を語り合う事をやっています。

日本でも平和の中にいると忘れがちなので、私は自分の体験を通して平和を脅かされることに対して、警戒してくださいと、各地で講演をさせて貰っています。  日本の子どもたちは手ごたえを感じます。 講演を聞いた子供が大きくなって6月からルワンダの日本大使館に赴任します。 福島の子がその後青年海外協力隊になってメッセージを受け取りました。 私に出会わなかったら、国際協力にはいかなかったという内容で感激しました。 

インターネットでフェークニュースが飛び交っています。 注意して正しい情報を得ないととんでもないことになってしまう。 ですから教育が本当に大事です。 判断力をもって、ものを見てゆくことが大事です。 私が国籍を取った理由は、両方の国の人として生きてゆく、ですからルワンダのことをやりつつ日本のことをやって行きます。 30年前死んで当然だったので、命ある限り人々につかえる人になりたい。