山口弘和(コント山口君と竹田君)(芸人) ・「喜劇で認知症を考える」
山口さんは1956年埼玉県出身。 1983年に竹田高利さんと「コント山口君と竹田君」を結成、1984年に初出場したオーディション番組「お笑いスター誕生」で優勝。 その後コント界の第一線で活躍しています。 山口さんが来月上演の舞台「生きる」の稽古に取り組んでいるとのことです。 テーマは認知症の介護ということで、そこに込めた思いなどを伺います。
今年で70歳です。 竹田さんも「明日への言葉」に昨年出演されて、テーマが「汗かきコントに一筋の涙」となってました。 竹田君は物忘れが器用で物覚えが不器用な方なんです。 竹田君に出会うことで自分の考え方が大きく変わりました。世のなか思い通りにはならないんだなということです。 自分の作ったコントを竹田くんに当てはめても、その通りにはやれない人もいると言う、その中で自分の考え方を変えて行って、竹下君ができることを考えてネタにしていくと言うやり方にしていきました。 ちょっと引いたものの見方ができるようになりました
お笑いスター誕生で優勝。 それから42年になります。 2014年から「生きる」と言う芝居をやってます。 認知症をテーマにした物語です。 2013年にブッチー武者さんから演出を頼まれました。 その後台本もやることになりました。 京都伏見介護殺人事件、54歳の男性が介護疲れと生活苦から親子心中を図ったと言う、その認知症患者の86歳の母親を殺害してしまったが、情状酌量の判決が出ました。 真面目に介護すればするほど、追い詰められていくと言う状況が1番辛いところだと思います。 これを本にすればどうしたらいいかと言うことを考えました。
彼は3年の執行猶予を終了し、2014年に亡くなっています。 この劇が12年続くとは思えませんでした。 逆に言えば続いてることが問題なのかなと言う感じています。 良くならないものを突き続けても希望がなくなってしまうので、希望のある終わり方ができないかとということで本を書き直したりしました 。四谷で今度おこないますが、25回目になります。 ブッチー武者に、こんな熱い思いがあったのかと、頭が下がります。 生活の中で起こり得ることであると言うことをポイントにして、それぞれの立場があると言う中で、こうならざるを得ないと言う社会構造をなんとかしていかなければならないんではないのかと言うことで、誰が悪いとかと言う様な作品にはしたくないと思いました。 そのためには喜劇が良いと思いました。是非うちの地域でもやってほしいと言うことで、実行委員会を立ち上げてくれたりして、草の根の力がなかったら続けられなかったと思います。
自分でも老化と言う事は意識するようになりました。1番いけないのはストレスだと思います。 竹田くんと付き合っているとボケている暇はないですと言いながら、最近私も気になり始めました。 彼はボケをやっていますが、本当に真面目なんです。 未熟な自分に気づかない自分ていると思いますが、自分が未熟だから人を説得できないのに、一方的に攻めてしまう未熟な人間だったと言うことを竹田君に気づかされました。
竹下君も途中から劇に参加するようになりました。 何回かやってきましたが、その都度ゼロから立ち上げていかなくてはいけないと言うような状況です。 浜田光夫さんが裁判官役、大信田礼子さんも認知症のおばあさん役ということで参加していただきました。 田原総一郎さんにもバックアップしてもらっています。(92歳)
コントについては、その年齢で表現できる生の姿で笑いが取れるんだったら、それまでやろうと言う思いではいます。 作、演出家としては事務所の若手を含めて勉強会をやってます。 若手が育ってゆくのは自分としてもも励みにもなります。 最近のコントは研ぎ澄まされた計算された笑いでそれもいいですが、そこに人間味を入れて欲しいと言う思いはあります。(計算しくされたネタが多い。)