2017年4月7日金曜日

米村でんじろう(サイエンスプロデューサー)   ・挫折こそが人生を開く 

米村でんじろう(サイエンスプロデューサー)   ・挫折こそが人生を開く
米村さんは昭和30年千葉県に生まれました。
3年間浪人の後、東京学芸大学教育学部に入学し卒業ご 、同大学院理科教育学専攻科を終了、学校の先生になります。
ところが学校や保護者とうまくいかず 40歳で退職してしまいます。
その後サイエンスプロデューサーとしての活動をはじめ、舞台で楽しい科学実験をしたり本を出版したりと幅広く活躍するようになりました。
サイエンスプロデュ―サーとして新たな世界にたどり着くまで米村さんはどんな日々を送ってこられたのでしょうか。

62歳になります。
年間週1回ペースで日本全国廻っています。
名刺を作るときに肩書きを書くのに、科学関係の仕事なので「サイエンスプロデュ―サー」という言葉を勝手に作ってしまいました。
ステージで1時間から1時間半程度のサイエンスショーをたのしんでいただくステージを中心に動いています。
科学を多くの人に楽しんでもらう、そのためのアイディア、企画、製作、自分が出て実演するそういうような仕事です。
昭和30年、千葉県の田舎に生まれました。
人見知りのする、内気な子供でした。
自然豊かなところだったので、そういったところで遊んでいました。
動植物、星とか、自然の中の遊びと学校の理科との中から、興味を持ちました。

集団の中に入るのは不得手でした。
夏休みの後の学校へ行くことは気が重かったです。
中学、高校もクラブ活動はせずにさっさと家に帰っていました。
将来に対する考えがなくて漠然と科学関係の仕事がいいなあぐらいに思っていました。
大学に行って科学関係の道に歩みたいと思ったので、大学の試験を受けたたのですが不合格になってしまいました。
実力のないのを見せつけられて落ち込む半面、本当はがんばれば何とかなると云うことの葛藤がありました。
浪人生活に入って予備校には2時間もかかるので、自分で参考書を買って勉強するが、勉強のやり方が良く分からず、模擬テストをやっても合格が難しいという結果が出てきて、又落ち込んでしまいました。
気がついてみると3浪ということになり、世間が遠く見え焦りを強く感じました。

父は高校卒業するときに労災で亡くなり、母親がおおらかだったのでプレッシャーを感じなかったのはありがたかったです。
東京学芸大学教育学部に入学して、引き続き大学院に進みました。
大学卒業後まだ仕事は無理だという思いと勉強が判り始めて、大学院に進むことにしました。
大学に籍を置いて研究生と言う立場になりました。(26歳)
3年間研究生として過ごして、就職活動をしなくてはいけないと思って、理科の教員になろうとして合格して教員採用と言うことになりました。(29歳)
赴任した学校はいわゆる教育困難校で、授業が思う良うに成立しない状況でした。
多くの生徒は弁当を食べたり勝手な事をやって教室は雑然としていました。
そもそも自分はなんで理科の教師をやっているのかと言う思いがあり、理科の楽しさをつたえるためには原点に帰って、実験とか観察とか、実習的な事を体験させることで、興味が湧くのではないかと言うことに思い至って積極的に実験をやらせる、実験を見せて興味を引く事をしました。

生徒も興味を持ち始めたが、学習内容そのものに対するモチベーションではないので学習指導は順調に言った訳ではなかった。
実験そのものは周りから注目され始めましたが、授業はなかなか成功してはいなかった。
教師になって13年経って、当初目指していた授業には成っていなくて、自分の限界のようなものを感じ始めて、教師には向いていないのではないかと思うようになり、精神的にも行き詰ってしまって、真剣に転職を考えるようになりました。
気持がいろいろ揺れましたが、比較的簡単に学校をやめられることになり、独立をしました。
いろんな仕事をやっていたら、講演依頼とか、実験を見せてほしいとか話が来るようになって、アシスタントも必要になり、経理関係などの問題があり法人化しないといけない
ということが判り、会社を設立をしようということになりました。

順調になってきて結果的には今はそうやって自分の仕事を納得させている。
世の中が引っ張り上げてくれているので、これが天職でそうなってるのかなとは思っています。
落ちこぼれた生徒の気持ちは良く判るし、一般の人、子供たちに実験を見せた時に原理とか勉強的な話はついてこれないよということは良く分かるし、科学は難しいよねと言うのが判るので、どういうふうに話したら判ってもらえるか、自分自身が落ちこぼれのようなものなので、一般の人達、子供達の接点になるにはいい経験を積んだことが結果的には良かったと思います。

自分は思うようにいかなかったが、頑張っていればなんとか成っていくものだなあと思うので、うまくいかないことも有るかと思うが、苦労が必ず実になり糧になり繋がって行くので、あきらめずに今関わっていることに頑張って集中していれば将来人生を切り開いてゆくきっかけになると思う。
躓いたことが後の実りになっているので、うまくいっていないことが受けとめることになると思います。
人生は長いので、思うように発揮できなくてもこつこつやっている中でどこかで観てくれている人もいますし、努力は実を結んでゆくので、若い人たちは短絡的に見ないで希望を持っていかれたらいいのではないかと思います。