2024年1月29日月曜日

栗山龍太(シンガーソングライター)   ・見えない僕から、みんなに伝えたいメッセージ

 栗山龍太(シンガーソングライター)  ・見えない僕から、みんなに伝えたいメッセージ

桐山さんは小学生の時に病気で目が見えなくなりましたが、その後も音楽に親しみ、現在は学校に務める傍ら音楽活動を続けています。 これまでに共生、多様性や、平和などをテーマにした楽曲を数多く発表して居ます。 弱者への優しさや寄り添う気持ちを伝えたいと取り組む栗山さんに伺いました。

盲導犬「アンジー」が足元に伏せの状態でいます。 渋谷区パリパラオリンピック応援ベントに「アンジー」と共に参加しました。 1976年大阪生まれ(47歳)、11歳の時に病気で全盲となりました。 その後筑波大学理療科教員養成施設で新旧あんまマッサージ指圧師の教員免許を取得、盲学校の職員として医療系全般の指導に当たっています。 2000年に音楽会社の方との出会いがきっかけとなって、2010年から音楽活動を開始、自ら楽曲を作り相棒の盲導犬と共にステージに立っています。 

小学校5年生の時に、緑内障になり眼球を摘出しています。 僕が見えなくなったという事で両親が離婚してしまいました。 児童養護施設で育てられました。 小さいころからピアノを習っていたりしたので曲を作るのが得意だったりしていました。  音楽に支えられたという事がありました。 音楽を通してリードする側に回れました。 32歳でデビューしましたが、妻に服とかチェックしてもらっていました。 それまでは自分の好きな音楽を作って歌っていたりすればよかったのですが、お客さんを満足させられるような歌を歌わないといけないので、特に目で見る部分をカバーしないとエンターテーメントになりにくいということとかがありました。 ステージで楽しそうに見せることについても妻から指摘がありました。

2018年にリリースしたのがパラアスリートの応援歌の「リアルビクトリー」と言う曲です。僕の渾身の一曲と言う形で作ったものです。 障害者目線で伝えた方がいいのではないかと思いました。 合唱曲です。 コロナ禍で自分のすべてのイベントがなくなってしまいました。 オンラインコンサートを何回かしましたが、生で届けないと熱量が伝わりにくかったりしました。 「愛する魔法」 世の中が共生、多様性について発信しているので、それをテーマに作ってみたらどうかと言われて、作り始めましたがなかなか進まなかったです。  2023年にCDがリリースされました。  長男の友達の女の子が描いた絵とか、地域の人たちの合唱とか、沢山の方々に関わっていただきました。 

*「アイスル魔法」 作詞、作曲、歌:栗山龍太

曲の一番は一般的な共生を、二番は周りの人に興味を持ち、ひいては自分の世界を広げたいとか、思いやりのある世界に繋がってゆくんだよと言うテーマで、愛するという魔法を自分に掛けると言いう風にしました。 「アイスル」は片仮名になっていて、呪文みたいな形です。 

エッセー本「見えないボクと盲導犬アンジーの目もあてられない日々」を昨年発売。    実話だから笑えるところがあります。  子供たちにリアルな障害者像、日常を紹介していきたいと思いました。 楽しみながら知ってもらおうと思って作りました。 日本人は「思いやり」と言う良い視点を持っているので、そこに落ち着けば、共生、多様性などをわざわざ取り上げて言う必要はなくなって来るのかとは思いますが。  去年夏には学校図書館協会の選定本になりました。 子供たちの想像力は果てしないものだと思うので、想像力で今この人は何に困っているんだろうか、と言ったことに気付けるような子供たちになって欲しいなと思います。  」

歌手の加藤登紀子さんと一緒にコンサートをしまして、加藤さんが「果てなき大地の上に」(反戦歌)と言う歌を歌って、かっこいい歌だと思って言ったらCDを送ってもらいました。(歌っていいよという事でした。)  戦争とは亡くなる人が出るだけでなく、戦争で傷を負ったり、心に傷を負ったりする人が出るという事で、その人の人生を変えてしまう。 それで今回反戦歌に挑戦してみました。 戦争を体験した世代ではないので、淡々と切々と歌うような形で、現代風な曲調にしてアプローチしました。 熱が足りないという事で加藤さんが歌って歌唱指導もして頂きました。 昨年レコーディングしました。       戦争で身体や心に障害を負ってしまって、その後も生き続けなくてはいけない人が沢山出るわけで、音楽で心を包み込めるような形で歌い続けて行けたらいいなあと思っています。