むらいさち(写真家) ・世界中を“ゆるふわ”で撮る
千葉県の写真家むらいさちさんは明るく淡いパステル調の作風が特徴です。 陸上だけではなく水中で風景や生き物を撮影する方です。 写真なのにどこかメルヘンチックで絵画のような作風は“ゆるふわ”と呼ばれて、展覧会には毎回多くのファンが訪れます。 去年は念願だった南極での撮影を実現して、今年夏には大規模な写真展を控えています。 むらいさんに“ゆるふわ”写真の魅力や自分のスタイルを確立する迄の歩み、撮影に込める思いなどを伺いました。
沖縄でスキューバダイビングのガイドをしていて、カメラマンになりました。 手元には写真集があります。 全体的にふわっとした感じです。 “ゆるふわ”は自然と定着した感じです。 シャッターを押す時って、心が感動した時なんですね。 綺麗なもの、明るいものを見た時に心が反応します。 試行錯誤する中で作品が出来上がって来ました。 海のなかは明るい青が基調になっています。 見せたいところだけにピントを合わせて、あとはふわっとぼかすようにすると自分の思いも伝えやすいです。 ストロボを使っているので変に影が出ないような撮り方をしています。(黒が好きじゃあないんです。) 絵と思われるような写真を撮っています。
かき氷とシロップの写真もカラフルです。 下が黒いテーブルですが、鏡みたいに反射してうえがリアルで下が非現実の世界と言う風に対比させることによって、ファンタジーな感じが出せます。 2025年は色々なところで展示会をやらせていただきました。 12月に新宿で南極での写真を展示して、ペンギンに沢山の人が喜んでもらえました。
沖縄でスキューバダイビングのガイドをしていて、27歳の時にダイビングの雑誌社に入る事になりました。 水中写真はそこから勉強を始めました。 モノクロで撮っていました。 自由に撮りたいという思いがあって独立しました。 当時はリアルに、瞬間を写す、きっちり写す感じでしたが、違う路線で戦おうと思いました。 陸上ではふわっとした写真を撮り始めていたので、水中に取り込めないかなと思いました。 試行錯誤を重ねれいるうちにデジタル化になって、何枚も撮れるようになって個性が出せるようになりました。 ふわっとした明るい写真を撮るようになりました。 普通に撮ってくれと言う依頼と、ふわっとしたものとが半々になって来て、自分は“ゆるふわ”だけで行こうという時期があり、そちらに舵を振りました。 (40歳ぐらい)
今や認められて、明るくふわっと撮る人も凄く増えてきました。 世界中の南の方、東南アジア、ハワイ、インド洋とかで海辺が多いです。 カメラを持つとカメラの目になるんで、身の回りのものも撮ったりもします。 日常でもいろいろ刺激があるので楽しいと思います。
子供のころから南極に憧れていました。 「南極物語」の霞の中からタロウとジロウが走ってくるシーンが今でも鮮明に覚えています。 50歳になって今ならいけると思って、行くことになりました。(2年ほどの準備期間) アルゼンチンの一番南の街から南極へクルーズ船が出ています。 その街まで飛行機で2回乗り継いで2日かけて行き、そこから船で南極にいきました。 20日間のクルーズ船でいろいろな島を回りながら南極まで行きました。 南極ではクリオネにも出会いました。
サウスジョージア島では一面ペンギンだらけでした。(衝撃を受ける。) 数頭のペンギンが居て、一番前のペンギンが海へ飛び込む瞬間の写真は一番思い入れがあります。 クルーズ船内でのフォトコンテストがあって、この写真を出したら1位になってしまいました。 僕の“ゆるふわ”写真をみてジャパニーズスタイルという名前を付けてくれて本当にうれしいです。 僕の目標は写真で人を幸せにすることなので、この写真を撮たらだれかが笑顔になってくれるのではないかという思いが根底にあって、今一番熱いのが水中写真です。 そこを追求していきたいと言う思いがあります。 水中は毎回環境が変わるので飽きないです。