2026年6月3日水曜日

五木寛之(作家)             ・五木寛之のラジオ千夜一話対談は面白い」

五木寛之(作家)        ・五木寛之のラジオ千夜一話対談は面白い」

五木さんはこれまで様々なジャンルで活躍する人たちとの対談を重ねてきました。最近では対談のお話をまとめた本も出版しています。 対談の面白さ、魅力などについて語っていただきます。 

対談を50年間ぐらいやってきましたけれども、その中で1番印象に残ったと思われるような対談をピックアップしました。 吉行淳之介さんとの対談から始まって5 、60年間やってきて数え切れないほどです。 選び抜いて3巻にまとめました。   作家としては珍しいシリーズになりました。 外国人ではカシヤス・クレイから始まりました。 対談と言うのは言葉だけでなくて、身振り、手振り、その時の表情などをひっくるめての対談ですから、むしろそっちの方が本音みたいなものが出てきます。 ですから2人でやっている演劇みたいなものです。 

インタビューっていうのは、聞き手が対象とする相手の思想、考え方、感受性とかを汲み取ろうと思って努力しますが、対談はお互いに交換します。 自分の心の中の贈り物を交換しあって成り立つものです。(相互作用)インタビューは片道切符。 石原さんは日蓮を尊敬してる方です。 自力の方です。 自分で難局を切り抜けてやっていくんだと言う方です。 僕の場合には親鸞と言う先達がいて、親鸞の思想に共鳴しているものですから、手のひらに乗りながら自分で生きていくと言う他力の思想がありまして、他力本願と言うのはあなた任せと言うふうに誤解されがちですが、そうではないです。 石原さんとは誕生日が全く同じです。  

石原さんとの対談も面白かったですけれども、長嶋さんとの対談も面白かったです。  長嶋さんもすごく理論的です。 女性では、作家の塩野 七生ん、イタリアに住んでいて、色々と歩きながら対談をしました。 色々と臨場感のある話をして面白かったです。 松永伍一さんと言う評論家と対談をしましたが、その時には地方の旅先で温泉に入って、録音機を湯船に浮かばせながらやったこともありました。 ぶっつけ対談もやったことがあります。  塩野 七生さんは男っぽいような気がしますが、非常にデリケートな繊細な気遣いのある人で、歴史上の人物を切るときに薙刀でバッサリ切ると言う、そういう感じはありますけども、繊細な神経を持った方です。 

*「インディアンサマー」 作曲:いまなりあきよし 作詞:五木寛之 歌:麻倉未稀

音楽関係の人との対談もたくさんあります。 作曲家の武満徹さん、映画が縁になって知り合いました。 武満さんは国際人でありながら、日本人の意識の強い人でした。  女性作家の林真理子さんとの対談も多いです。  林さんとは対談を9回やっています。 テレビ、ラジオでの対談は消えていってしまって、活字だけの対談になってしまうのは残念に思います。

戦争中などは、ものを大事にすると言う意味で捨てない時代でしたが、戦後一時期捨てるのが美徳みたいな時期もあり、世の中は繰り返しですね。  対談は、人間の生の姿が出てきますから、大きくうなずいたと言うな事は、活字にできませんから、そこでは本当にそうだねと言う風な書きたすことがあります。  言葉にならない言葉と言うものを対談を活字に起こすときには、作っていかなければいけないので、勝手わがままに作ってるわけではないです。 本当のことを伝えるために言葉を挟んでるわけです。