2026年3月25日水曜日

小川洋子(翻訳家)             ・「古代の植物誌を夢中で翻訳~いつの間にか50年~」

小川洋子(翻訳家)   ・「古代の植物誌を夢中で翻訳~いつの間にか50年~」 

今から2300年前紀元前のアリストテレスの時代の話です。 アリストテレスの同僚の植物学者のテオプラストスの事を御存知の方は多分あまり多くいらっしゃらないのではと思います。  実は植物学の祖と言われるリンネやテオプラストスは植物学の祖であると言っているそうで、古代の偉大な植物学者です。  紀元前の書物テオプラストスの「植物史」を自宅でコツコツ50年かけて翻訳されたのが、今回の小川洋子さんです。 その翻訳本は日本を翻訳協会特別賞を受賞しました。 なぜそんな古い本を翻訳しようと思ったのでしょうか? しかも50年もかけて翻訳したことをどのように思っているのでしょうか?

アリストテレスは生物学の祖と言われていますけれども、アリストテレスは動物のほうに熱心に取り組んで、テオプラストスのほうは植物に取り組んだと言われています。  「植物史」を読むほどに素晴らしい研究をしていると言うことで、だんだん引き込まれて勉強しながらやっていたら50年かかってしまいました。     当時見た植物を詳細に厳密に記録しています。 言葉で葉の特徴とかいろいろなことを文章で非常に丁寧に書き残しています。 それを読むと植物が同定出来る。

2300年前と言うと、アテネに地中海中から人が集まって学問をしていました。  アテネは文化都市でした。 テオプラストスは植物分類学の元を築いた人でもあったわけです。  植物の形態学などもしっかり書き込んでいます。 アリストテレスは動物の性については、生殖行動まで詳しく書いていますが、植物には性がないと言ってます。 テオプラストスは現代の受粉について述べているのと同等の説明をしています。  15世紀頃になって顕微鏡ができた後、雄しべ,雌しべの働きと言うのを発見した人がいました。 その後雄しべ,雌しべの役割は違っていて、それが新しい命になると言うことを説明するようになるまでの間、テオプラストスの時から1歩も進んでないわけです。 植物は自然発生的に出てくると言うな考え方でしたけれども、テオプラストスはすべての植物は種子から生えると言うことを言っています。

 私は学生のときには植物学ではなくて、経済学を勉強してました。 あることから、ギリシャ語を学ぶようになりまして、ギリシャ語の面白さを感じました。  ギリシャ史の勉強始めました。 ギリシャ古代の農業の勉強しようとしていましたが、テオプラストスと言う名前が注釈に頻繁に出てきます。 それでテオプラストスの本を読むようになりました。 それが「植物史」です。  テオプラストスに関する学会もできました。 英訳の本ができたのは1916年でした。 フランスの先生が公定翻訳本を出したのが1988年でした。

植物を説明するためには植物を理解してないとできませんので、植物園に行ったり海外まで見に行ったと言うこともあります。 有毒植物などを見に行くときには、薬品会社とか薬用植物園にいろいろ行きました。 日本では見られない植物の種とかギリシャとかイタリアなどに見に行きました。 海葱(かいそう)という6弁の白い花が咲く植物がありますが、その姿は日本では見られませんでした。 行ったらどこにでもあって驚きました。

植物は自分の好む環境のところで、育つと言うことを言いたいと言う意図があったんではないかとと思います。 科学的と言う姿勢が身に付いている人だなと言うのは大きな驚きでした。 中途半端にわかった事は断言しないでこれはまだ問題が残っていると言うことをちゃんと書いています。  今の科学者と姿勢としては全く変わらないと思います。

この本を通して植物と言うのはこんなに役に立っていると言うことを知る機会になるんじゃないかなぁと思います。 「匂いについて」と言う本がありまして、それを訳してみたいと思っています。  抽出したものをに薬用に使ったりしてまして、それをこれから勉強し始めています。 自分で見たこと、自分で本当に考えたということだけを書いているから古臭くないと思います。 自分で考えると言うことを学ぶと言う事は大事なことでないかなぁと思います。 時間をかけると言うことも大事なのではないかと思います。