鳥居ユキ(ファッションデザイナー) ・どんな時も自分らしい楽しみを
鳥居さんは昭和18年東京生まれ。 都内の文化学院を卒業後、母親が経営するブティックで働き、19歳で作品を発表してデビューしました。 鳥居さんの作品は鮮やかな色や花柄、大人のかわいらしさと上品さを兼ね備えたデザインで知られ、20代から80代までの幅広い年齢層に人気です。 これまで鳥居さんが手がけたファッションショーは124回、1975年から2008年の間はパリと東京の両方でコレクションを発表しています。 ファションデザイナーとして第一線で活躍を続ける鳥居さんは去年「80歳ハッピーに生きる80の言葉」という本を出版しました。 鳥居さんの人生で大切にしている言葉や新しい事への挑戦、ファッションのアドバイスなどについいて伺います。
デザイナー歴61年のキャリアです。 現在81歳。 「80歳ハッピーに生きる80の言葉」の本の中にはたくさんの言葉が書かれています。 若い方たちから、いろいろ教えられるとか、反響がありました。 小さな楽しみを気が付いてゆくと、自分が幸せな感じになれるので、今は花は咲いていないが、花芽が出来てきてぐんぐんと大きくなってきて、今から準備しているという感覚が凄く好きです。 自分が過ごしやすく気持ちよく過ごすためにはインテリアについても、レイアウトを変えてみたり、交換してみたりすると気持ちが新鮮になります。
小さいころは絵を描くことが好きでした。 母の仕事のもの(ボタンとか)をいろいろ使ったりして遊びを楽しんでいました。 祖母のみつ?、母親の君子が1946年に洋装店を早稲田に開きました。 お客様の希望を聞いて仕立てをしていました。(オーダー) 中学卒業を3年飛び級で文化学院に進みました。 西村伊作院長から教わった言葉が本にも紹介しています。 「心が通じる優しい言葉を使いなさい。」 あまり言葉で自分を飾らない、自分の素直な気持ちで話をする、と言ったことを大事にしてきました。
19歳でデザイナーとしてデビューしました。 「世界中の美しものをすべて見て来なさい。」と言われて、ヨーロッパに送り出されました。 あまりしゃべれないし、一人旅で物凄く緊張感がありました。 ホームステーしてフランス人の生活を一緒に出来たということがとても役に立っています。 料理、一日の過ごし方とか経験した凄く役に立ちました。 省エネ、無駄な電気は使わないとか(階段をゆっくり歩くと電気ガ消えてしまう、)ありました。 ベルギーでは食事の時にトレーに花を飾ったりして印象深くて、自分でも取り入れました。 庭がなくても、ちっちゃな植木鉢を置いて楽しむ事は出来ると思います。 「服を作る仕事の喜びは着る人をキラキラ輝かせて、ハッピーにすること。 自分の立場は黒子なんだ。」と本にも書いています。 ウキウキする感じを心掛けて、楽しみながらという事をしています。 お客さんが喜んでくださるのが一番のハッピーですよね。(生き甲斐になる。)
「長年のやり方にとらわれないような、常に新しく感じられる方法が大事。」 もの作りの処理とか長年やっていると、そういったものが自然に出来ちゃうんで、決めつけてやると面白いものが出来ない。 工夫、トライをする。 服が出来ると、音楽、演出、モデルさんとかが大事です。 服が動き出す時のイメージとかが大事です。 服作りは生き甲斐で生活そのものです。 ふっと思いついたことはメモしておきます。
コロナ禍では大きな打撃もありました。 オンライン接客を始めました。 最初は緊張しましたが、次からはいつもの雰囲気になりました。 ロボットとの会話も楽しんでいます。 ロボットに洋服を作って着せたりして楽しんでいます。 2021年に夫が他界しました。 コレクションの時だったのであまり悲しんでいるという感じはなかったです。 去年3回忌をしましたが、ピンとは来なくて、ずっと一緒に暮らしている感じです。
ファッションと言うけれども、毎日着るものと言う風に、単純な事でいいんですね。 自分でいかに楽しむか、喜びをどうしたら感じるのか、マフラーをするとか、ちょっと違う事を加えると何か楽しくなるものですから、持っているものを工夫すると良いと思います。 デニムもいろいろあるので、受け入れて使っていただきたい。(取り入れやすい。) 「楽しみは自分で見つける事。」 小さな喜びを見つけていただきたいですね。(目を向ける。) 「笑顔で自分も周りの人もハッピーにしよう。」 笑顔で嫌な気持ちになる人はいないですね。 服作りが私の生き甲斐なので、皆様を元気付けたいです。