山木千賀(箏曲演奏家) ・【にっぽんの音】
東京都生まれ、43歳 父の6代目山木千賀さんから手ほどきを受ける。 3歳から曲を弾きはじめる。 歌だけを歌っているのは1歳半ぐらいからです。 中学、高校でもお稽古を続け東京芸術大学音楽学部邦楽科に進み、山田流筝曲を専攻、大学卒後は演奏活動をしながら大学院で古典曲などの研究を続ける。 2018年に山田流筝曲山木派の7代目として山木千賀を襲名。
*「六段の調べ」 お琴の中では一番ポピュラーな曲かもしれません。 六段は6つの演奏部分からなる曲で、八橋検校という筑紫流箏曲を学び近世筝曲の基礎を作り上げた人の作曲です。
生田流と、山田流があり、生田流は京都が発祥の地で、山田流は江戸から発生しました。 生田流派はしんなりしっとりした曲が多いが、山田流はちゃきちゃきとした江戸のもので華やかな曲が多いです。
山田流は浄瑠璃やお能などの謡を取り入れている筝曲で、謡本位で作られた曲が多いです。 筝曲山田流の祖の山田検校は能楽師の息子なので能の語りの部分が多いです。
大学卒業後にこの職業でいいのかなあと思って3か月カナダに留学しました。 カナダの放送局にリサイタルを申し込んで、リサイタルをやったら、現代風なものよりもお琴の古典のほうが受けました。 自分がする演奏は言葉を乗り越えて、いろんな方とつながることが出来ると思ってこの仕事をするようになりました。
見た目よりも割と行動力のあるほうです。
昨年はコロナ禍でオンラインレッスンを始めました。 それとレッスンDVDを自分でパソコンを使って作ったりしました。 10月に無観客でオンラインリサイタルをしました。 オンラインレッスンもなかなか慣れなかったのですがようやく慣れてきました。 或る意味幅が広がったような感じです。
お稽古はマンツーマンで行います。 いろんな職業の方と出会えて話をしたりするのが面白いです。
お正月の弾き初めはみんなでお琴を並べて弾いて、みんなで酒盛りをしてプレゼント交換をしたりしますが、今年はそれが出来なくて残念です。
*「子の日の遊」 二代山木検校が作曲した曲です。 新年の喜びとおめでたい動物植物を並べて未来への祈願をこめているご祝儀曲になります。
お琴を弾いていて音が日本人に懐かしいというように思えていて、演奏していても自分の気持ちが整ってゆくような音だと思います。
日本人ってちょっと不安定な音が好きで、お琴もちょっと不安定な味のある音で、そういったところに日本人は惹かれるのではないかと思います。
私が感じる日本の音とは、下町の花火、お祭りの音です。 その音を聞くとウキウキします。