今森光彦(写真家・切り絵作家) ・【オーレリアンの丘から四季便り】
今森さんは滋賀県大津市琵琶湖をのぞむ田園風景の中にアトリエを構えて里山環境をとりもどすために活動されています。 秋のオーレリアンの丘の様子について伺います。
秋は環境がすごく変わる時期です。 目が離せないです。
蝶々は秋型の装いをして出てくる蝶々もいます。
8月下旬から田んぼが色づき始めて、穂が垂れてきて、9月上旬から中旬にかけて真っ黄色になるんです。 私のイメージはこれが最初の秋です。 土手にキツネノカミソリというオレンジ色の花が咲きます。 そのあとに9月上旬から中旬にかけて真っ赤な彼岸花が咲きます。 アキノタムラソウ(秋の田村草)という淡いピンク色の花、紫っぽいツリガネニンジン(釣鐘人参)の花、秋のリンドウなどかなりいろんな花が咲きます。 秋の花は土手に溶け込んでいるような花が多いです。
稲刈が始まるとにぎやかになります。 1週間もするとがらっと変わります。
棚田のお米は美味しいです。 トラクターが入らないところは手作業になり大変です。 棚田は水もきれいです。 稲木は10mおきに植えていきます。 竹の棒を横たえて藁でくくってそこに稲を干していきます。 稲木の景観が美しいです。 鳥たちの休み場にもなっています。 稲木にはクワガタ、カブトムシ、蝶々なども集まってきます。 今はほとんど稲木が見られなくなりました。
10月になると柿が色ついてきて、甘柿は収穫しますが、渋柿は残っていて沢山実を付け枝が垂れてとても綺麗です。 完熟すると実が落ちてきて蝶々、鳥たちが集まってきます。
土手は1年に何回か焼きますが、草が枯れてくるせいか秋が一番香ばしいいい匂いがします。
録音した秋の虫の声としてアオマツムシ、クツワムシ、コウロギ(カエルの声も入っている)
録音した秋の鳥の声としてカケス。 鹿の勇ましい鳴き声も聞こえます。
イノシシ、キツネ、イタチ、野ウサギも来ます。
雑木林の葉っぱにあたる雨の音、風の音、など聞こうと思って聞かないとなかなか聞こえないですね。
9月には菜の花の種を蒔いて20cm位にになっていて、間引きが必要で今一番それがいそがしい位です。 間引いたものをいろいろ料理して食べます。 菜の花は二種類あって普通の菜の花とカンザキハナナ(寒咲花菜 和製の早咲きの菜の花)で2月に咲きます。
果樹も植えているので栄養のすき込み、腐葉土、鶏糞などをすき込む作業も冬の前にします。
環境として道と土手がよくなってきました。 来年咲く花が楽しみです。
見過ごしてきたものがいろいろあります、自然は奥深いです、毎日見るというのが僕の目標かもしれません。