2012年2月11日土曜日

今森光彦(写真家57歳)      ・里山と虫たちを愛して

今森光彦(写真家57歳)        里山と虫たちを愛して   
今森光彦は滋賀県大津市出身の写真家   
熱帯雨林から砂漠まで旅をして写真を撮り 海外からも高い評価を得る 
今森さんはホームグランドは琵琶湖近い里山です    
平成7年 写真集 里山物語は大きな反響を呼びました  
里山にアトリエをかまえ自ら一員となって 里山をテーマに撮影を続けています   
まだだれも里山に注目していなかった30年前何故里山に注目したのか 
 里山が何故重要なのかを伺いました
  
外は雑木林 と棚田が有る この建物で21年になる 
以前はここはひのき林だったが、購入した時に伐採してクヌギ等の広葉樹を植えた   
どんぐりがなるので すると生き物が一杯集まって来る    
こういった風景様を自分が参加しながら裏からみてみたい 
写真でも同じだが裏から見ないと見えてこないものが有るような気がする   
表から見るのは他人行儀で 表面ずらを見ているようで そこに一歩でも二歩でも入りこんで 
それで中の事を良く理解して 一回出て行ってそれから撮る   
子供の頃から所謂生き物が好きだった 虫 魚 鳥 生き物に触れ合う機会が多かった 
琵琶湖の大津市はバランスが取れた環境だった
  
小学生の頃は日本の良い環境がかろうじて残っていた時代だった (田んぼ 小川 雑木林等) 大学では土木工学を専攻 適当に選んだ 道を間違えたと思う 
当時は自分の進む道が判らなかった    
写真に20歳で出合い この道に進む   
生物への興味は?→いろいろな種類があること 生物の多様性というんでしょうか 
姿形がいろいろ違う 形が違うと云う事は生き方が違う   
ライフスタイルが何百万種とあると云う事 それを地球の環境が支えている
  
26歳でフリーになる 昭和63年  昆虫記を出版 琵琶湖周辺の生き物に限って写真を写す
(九分九哩ここのアトリエの周りで撮っている)    
1988年に1976年から琵琶湖周辺で撮影してきた写真1700点を収めた   
小さな区画でも一杯の種類がいる    
卯化 孵化を何百回と見ているがその都度感動する(殆ど夜に孵化して朝には旅立つ)   
だんご虫の卯化 殻が真っ白 栄養が有るので自分で食べる   
平成6年 世界昆虫記 20年掛けた集大成  花(ラフレシアの花)の中から眺めるような写真    
ふんころがし ソフトボールぐらいの大きさ 1kgぐらい 世界で一番大きなふんころがしを作る   
幼虫が段々大きくなって来るふんころがしの成長過程を写真に収める
(世界初 学術的にも貴重な写真  8年間掛る)   
里山物語を平成7年に出版 四季折々の風景 棚田 そこに生きる生物   
里山 昔の農業環境 人と自然が一緒に暮らしている世界 山はマウンテンではなく狩猟する場所 或はエネルギーをまかなう場所    
里は野良   里山は水田が核になっている 里山は生き物に良い影響を及ぼしている 
程よい開墾 生き物を活性化させる
  
里山環境は連続しているべきであるが 断片的になってきてしまっている  
今の里山を駄目にしてしまっている   
水田環境の変化が最近は悪くなってきてる  
保水型の田んぼが 一回からしてしまってから電動で水を入れる
(水の分断が有り生物にとっては最悪)   
雑木林も人の手が加わらなくなった 
定期的伐採が以前はあっって風が通ったが 伐採が無くなり風が通らなくなってきた   
生まれ育った里山の良さを判って貰う事がそこに住む人にとって大事 
  
昆虫合宿 200名ぐらいになる 昆虫を取る環境がない    
自然環境との共存が必要 人の健全な暮らしが有ることが一番大事です 
人の暮らしが健全でないと生き物は絶対暮らしていけない   
ひとも自然から貰っている 広い意味で里山は全部だと思っている 
人がいて生き物がいる   
これからは深く見ないで 浅く広く一旦みてみたい
(現在北海道から日本中の里山を撮っているところ)   
それから又元に戻ってみたい  (又ここの場所の見方が変わって来るかもしれない)