2013年5月24日金曜日

湯浅誠(社会活動家44歳)    ・日本社会の現状と課題 日本再生のヒント

湯浅誠(社会活動家44歳)・日本社会の現状と課題 日本再生のヒント
2008年暮れに、年越し派遣村の村長を務め、リーマンショックによる世界同時不況の影響で、仕事と住まいを失った多くの人を支援しました
湯浅さんは大学院時代の1990年代の中場から、ホームレス支援活動をはじめ、その後生活困窮者を支援するNPO法人モヤイの代表や貧困の現状を伝えたり、政策提言したりする団体反
貧困ネットワークの事務局長を務めるなど、長年貧困問題に取り組んできました
そして、民主党政権が誕生した2009年には内閣府参与に就任し、去年春まで行政の立場で貧困格差問題に取り組んできました
参与の経験で湯浅さんは日本における民主主義の在り方を考える様になったと言います
今の日本社会の現状と課題、日本再生のヒントを伺いました

デフレが悪いからインフレ基調にと言って今みんなそこを目指したやっているわけですが、インフレになったらバラ色かと言うと、全然そうとは限らない 
日常品が上がって、所得が増えなくて、余計暮らしがきつくなるという事も、ありうるので具体的に見ていかないといけない インフレならインフレの中味、デフレならデフレの中味を見ないといけないが、なかなか暮らしに追われて、仕事と生活に追われているゆっくり考える時間がない
厳しい時間の中で、社会保障と税についてゆっくり考えるかと言うと思わないと思う

のんびり、ゆっくりしたいがそういう事の積み重ねが社会を作ってゆくので、パソコンは単純明快に白黒付ける られるものではないことが世の中に沢山あるので、そういうところを細かく見る、考えられる そういう場が社会に沢山あった方が、国民が賢くなるし、国民が賢くなることによって政治も賢くなる そういう風なところが大事だと思います

私たちが選挙で選んでいる人たちなので、私たちから完全に乖離した存在ではない
得票率の4割ぐらいをとった人たちが8割の議席を取っている 投票率は60%ぐらいなので有権者全体から言うと16%ぐらいの人たちの票で議席の8割をとっている  それが小選挙区制度
それが16%と言えば6人のうち一人  5/6の人たちの意見が反映されない
少なくとも選挙で我々は選んでいるという事実はある 
選挙に我々は関わっている   選挙の結果に不満を感じたとしても、変える方法を持っている
(徳川将軍は一般の人には変えることはできない)

政治を変えるルートは我々は持っている  それをやりましょうというのが民主主義だと思うので、今の政治に100%満足しているわけではないので、それを政治が悪いと済ましてていいのかという気持ちはある
政治的な事、社会的なことを話せる作法と言うものを、作れないかと言うんで、若い人たちと一緒に場造りをやっている  日本は政治的なことを話しづらい傾向にある
政治を普通に語る作法がない、文化がない  どんな話し方があるか考えたが、それを編み出して行かないといけないとは思っている
今あるのは政治かなんかみんなバカばっかりだ と言うような全否定する良い方はありなんですよね 仲間内で浮かないというか  もうひとつは特定の主義象徴を押し付ける人、敬遠する
それ以外は多くの人はそういう事を話題にすることを避ける

普通に話せる事の作法  こういう人とこういう事を話せたらいいなあと思い起こす
話したいけど話せない どういう風に話したらいいか それぞれ考えてもらう
話のシュミレーションをして、それぞれ発表してもらう お互いが気付くところがあるのでそれを一般の生活の中で持ちかえってやってみるとかを行っている
例 公園でママ友と政治的は話、社会的な問題の話をしたい だけどママ友にいきなり話をしてもひいてしまうかもしれないと自分は思っている どうするか 先ず子供の保育園決まった?どうする?どこにする? 入れるところもないしね 保育の問題は大問題 そういう風に入れるのではないか 直面している課題から入っていくのが大事なんだと思う
(大学の授業料の問題、 50年で50倍 そこに日本の歴史が刻まれている)

きっかけを生活のリアリティーとクロスさせる 自分に知識がないといけない
話がより展開する  社会の中でちょっとずつ政治的な事、社会的なことを話す量が増えてゆく
民主主義を豊かにして、社会が豊かになると思っている
総量が増えていけばいい  
自分の問題にぶつかる  国全体の大問題に対してあまりにも小さいことのように感じる、意味がない様な気がしてしまうが、その先にしかそれが変わることは無い
意味がないように思えるかもしれないけれども、自分が話せる相手を作ってゆくとか、そういう場を作ってゆくとか、生活の中から時間をひねり出してゆく そういう人たちの積み重ね、積み重ねが貯まり溜まってゆくのが社会ですから、積み重ねがない中で、政治とかが変わるという事は無い(いろんな要因で変わることはあるが  繋がっているという事が大事)

おまかせ民主主義で上手くいくかと言うとそうは思っていない 自分の周りから始めないといけない(魔法の杖は無い)  いろんな人と意見を交わせる場を作りたいが、めんどくさい しかし民主主義はめんどくさいもの (投げ出したくなるもの)
めんどくさいものを引き受け直してゆくしかないんじゃないの (それが結論)
主権者 私たちは、いつ主権者なの  と言ったら24時間365日主権者(権力者)

日本社会のこれから進む方向とはどういう方向なのか  
少子高齢化、人口も減っている  地方が先に かつ 田舎  昔合併されて吸収されたようなところ こういうところが日本の中にまだらに会って大変な状況に陥っている
だが、そこには試行錯誤の中でやられたノウハウの蓄積がある
日本全体として人口減少に入ったのは2005年だけれども、地域によっては高度経済成長期にとかにそうなっている  今日本の高齢化率は25%ですが、地域によっては20年前に25%になったところもある  
そういうところは先に直面した課題があって、そこでいろいろなされた取組があって、その中に良いものが生まれているとすると、そこから学べることがある

そういう地域を回って集めていると言うのが私の一番の取り組みです
見えてきたのは、外頼みから内に変わってゆく  日本の地方は伝統的にどうやって開発してきたかと言うと公共事業です  
2000年代になって、減ってきた  企業誘致に走ったところもあったが、交通の便が悪い、都市部から遠い、こんな場所には建ててくれないだろうと自分たちで判ってくる
自分たちの中の物に目が向く 地域活性化 地域おこし 自分たち ここにある人、物、自然の強みを何とか見出そうという試みだと思う
①農林漁業の6次産業化  生産した物を加工から販売まで、手掛ける
②観光  昔からある神社仏閣等 古い街並み
③エネルギー  太陽 風力 地熱

今あるものに注目している  この3つが新たな街作りとしてチャレンジしている
かけているものがある  物と自然  人が欠けている
ここにいる人を如何に強みを引き出しながら、街を活性化してゆくかと言う、人の活性化が実は一番難しいし、後回しになっている  地域を元気にさせるというよりは負担を増やすのではないかと思われている  4本目の柱として立っていないので4本目の柱として立てるべきだと思っている 人の強みを引き出すような街作り  
山にある葉っぱが高い値で売れるようになった(料亭とかに)  価値の再発見

今は障害者の人でも沢山働いている  力を引き出すことが社会にとってもプラス
障害者だけではない  
女性の社会進出  能力を持っている人が力を発揮した方が日本の経済成長にプラスになる
能力を引き出せるか、引き出せないか という引き出す側の力量にもかかわっている
やりようによって能力が伸びる 能力は多様ですから  見出せるような社会、地域になるという事は葉っぱは見いだせても人は見いだせないかと言う事になる
人の内発的な発展、地域の中にいる人たちの強みを引き出すのが一番遅れている
これがメインだと思う

今の社会の風潮 として人を切り捨て 使えないとか そっちの方の感覚が強いが
切り捨てる者は心を鬼にして、どんどん切り捨ててゆくという事をしても、その人たちは消えてなくなるわけではないので、溜まってくるそうすると貧困問題が起こる
そうすると、世の中は余計大変になる その人たち自身も大変だけど
会社は人をリストラすれば会社には来なくなるかもしれないが、社会の中から消えてなくなるわけではない  会社は社員をリストラできるが、国は国民をリストラできない
結果的に私たちは損をする 切り捨て型の発想はマイナスを少なくするつもりであるが、実はマイナスを大きくしている

頑張れる状態を作っていった方が、世の中全体の総量は増える エネルギー総量
そういう事をやれるし、やりましょうと思えないかと言うと 何故できないかというと判らないからですよ
お金がいくらあっても足りないような気がする イメージで考える(判らないから)
負担感を感じてしまう   
成果が出ればいいと示せればいい そいうするとだんだん負担感が減ってゆく
事例はさっき言ったところにある  ここでやっていくしかないと地域の人が一生懸命に考えるという事を先に直面した地域のほうがその蓄積がある、だから学べる

今集めているところです(どこも試行錯誤でやっていて、もちろん失敗もやっているが、そこから学べるものがある)
これからの日本社会の学ぶべきもの、宝物があると思う